2016年12月27日火曜日

振袖を訪問着に

振袖を訪問着に直すよう頼まれました。



肩から袖へ熨斗の柄がつながっているので、
   下半分を切り落とすのが自然です。

しかし、将来また振袖に戻したいということで、
   鋏を入れずに袖を仕立て直しました。


 
柄はつながっていませんが、
着付けるとあまり違和感はないと思います。
 
早春の結婚式に着られるそうです。
 
春著縫ふ日当たりのよき仕事部屋  ひとみ
 
 
 

2016年11月15日火曜日

着物を洋服に

和裁の仲間が、紗で秋物のコートを作りました。

紗といえば盛夏のものですが、紅絹を使って袷に仕立てています。

紗にはめずらしい薔薇の柄。

大きな衿と、折り返した袖口の紅絹がポイントです。

顔を写すなと言われて残念ですが、彼女、長身の美人ピアノ教師です。

 
 
手縫ひして絹は佳きかな冬日和

2016年11月7日月曜日

うさぎ柄の小紋

立冬の今日、うさぎの刺繍の小紋を裁ちました。

小紋ですが、色無地に近いので、来月、友人の結婚式に着てゆくそうです。

柄合わせは楽しい作業です。

左胸に一匹、衿にも上向きのうさぎさん。

 
 
 
衽の膝あたりにも上向きを一匹。
 
 
 
 
完璧です(笑)。
 
冬の日に散りて小紋のうさぎ柄   ひとみ
 
 
 
 

2016年10月18日火曜日

産着を七五三の着物に

産着を七五三の着物に直すよう頼まれました。


ピンクの縮緬に手毬の刺繍の愛らしい産着です。

ご覧のとおり、産着には袖の丸みがありません。

丸みを作って揚げをすると、、、


ふっくらとした七五三の着物になりました。

産着は一つ身という裁ち方で小さくて軽いので、3歳の子には負担が少なくてお勧めです。

      肩揚げのこんなに小さき秋日和   ひとみ

2016年9月22日木曜日

浴衣地のパンツスカート



男物と女物の浴衣をほどいて、パンツスカートを縫いました。

こんなに楽で涼しくて、エアコンの部屋では温かいパンツスカート売ってませんよ。

私も友人も娘も、みんな夏中愛用しています。

洗ふほど着るほど涼し藍木綿   ひとみ

2016年7月9日土曜日

振袖を訪問着に



わが町のおかみさん会の会長さんから、振袖を訪問着に直してほしいと頼まれました。

肩から袖にかけて模様が渡っているので、下半分を切り落としました。


振袖だったことが分からないほど、落ちついた訪問着に変わりました。

独身の倉敷市長さんには思いっきり華やかな振袖を着ていただいて、会長さんはこの訪問着で寄り添って、お雛祭りにジーンズ通りを歩かれます。


     梅雨寒の絹さらさらと仕立てをり   ひとみ

2016年6月25日土曜日

身丈直し

単衣の紬の身丈と裄を伸ばすよう頼まれました。

となると、袖もはずし、襟も下半分ほどき、衽も上半分ほどき、脇も背も中ほどをほどくという事になるので、全部ほどいて縫い直すということでお預かりしたのですが、、、




布地が扱いやすく、仕立ても精密だったので、部分直しに挑戦してみました。

写真は、前身頃の内揚げをほどいて衽と襟を付け直し、これから後ろ見頃の内揚げをほどくという状態です。

とてもおもしろい仕事となりました。

   美しき縫ひ目をほどく梅雨籠り   ひとみ

2016年6月4日土曜日

単衣の紬


この季節に縫うのに心地よい紬を二反頼まれました。
単衣に仕立てます。


小柄な方なので、いしき当てが共布で取れました。
背伏せ布も共布で取りました。


やわらかい正絹の紬はとても縫いやすかったです。
書道の先生が着られます。
気軽なお茶会や街着に活躍してくれそうです。

      雨あとの夜風をまねき単衣縫ふ    ひとみ

2016年4月11日月曜日

身巾を出す

茶道の先生から、若いころの着物が太って着れなくなったので身巾を出すよう頼まれました。


3㎝出したので、前後で6㎝、全体で12㎝広くなりました。
かなり楽に着付けられると思います。
しかし、元の縫い目がくっきりと残って、コテを当てただけでは、このとおり目立ちます。


かなりコツがいりますが、かすかに湿らせたシルクの布を当てて何度かコテをかけたら、ほとんど目立たなくなりました。

    お点前の指のふくよか花ゆすら   ひとみ

2016年4月1日金曜日

日本手ぬぐいの甚平


倉敷の手ぬぐい屋さんで、鯉のぼりの柄の手ぬぐい三枚を買って、甚平に仕立てました。

娘の子の初節句のお祝いです。武具飾りには抵抗があるので、、、。


こちらは、鯉の滝のぼりの柄。息子の子の初節句のお祝いです。

五月いっぱい飾って、あと着せます。実用的です(笑)。

    晴れてゆく風の青さや鯉幟    ひとみ

2016年3月17日木曜日

振袖を訪問着に

振袖を訪問着に直してほしいと頼まれました。



切り落としては、無地の袖になってしまうので、袖を外して柄のよいところを持ってきます。

また、お祖父さんとお祖母さんが心を込めてつくってくださったものなので、鋏を入れずに、また振袖に戻せるようにお直ししました。


振袖の片面を裏に回して、一尺三寸のお袖に仕上がりました。
二晩ほど敷きのしします。





華やかで気品のある訪問着の出来上がりです。友人の結婚式に着ていかれるそうです。
仕立て屋冥利に尽きます。

    婚祝ふ着物にとほす春の風    ひとみ

2016年3月7日月曜日

道行コート


道行コートの丈を伸ばしてほしいと頼まれました。

なんとか6㎝長くできました。

それだけでも落ち着いた雰囲気に変わりました。

本うるしのいいものだそうです。

生きていれば110歳のお婆さんが娘に縫ったもので、

その傘寿になった娘の還暦の娘が孫娘の初雛のお祝いに東京まで着てゆくのだそうです。

なんと女系五代の物語です。感激です。



   紙ひらく音の中より雛現るる   ひとみ



2016年2月6日土曜日

子供の振袖

 
 
踊りの発表会に着る、六歳の子の振袖です。

   お祖母さんの着物で、昔のものは袖の丸みがありません。
  
   裏は紅絹です。可愛らしく13㎝の丸みをつくってあげます。

   長襦袢は新しく仕立てます。

     大人になって仕立て直せるように、大きめに裁ちます。

2016年1月15日金曜日

本年もよろしくお願いします



    倉敷の郷土玩具館の申です。      




今年の縫初は、お雛祭りにお琴を弾くための訪問着でした。

八掛は、いらない着物をほどいたものを再利用しました。