2017年5月20日土曜日

身丈を長く


お母様の袷の紬を、長身の娘さん用に直すよう頼まれました。

内揚げも残り布も、他のはぎれもないといこと。どうしましょう?



衿は、このように、地衿と掛け衿で縫われています。

この掛け衿を、おはしょりに隠れる部分に継ぎ足して、身丈を長くすることにしました。

なくなってしまう掛け衿は、地衿をつまんで、あるように見せかけます。



思い切って鋏を入れて、、、



掛け衿を継ぎ足します。



はい、共布なので、継ぎ足したことが分からないくらいうまく仕上がりました。



衿にも、ちゃんと掛け衿が掛かっているように見えるでしょう?(笑)。

こういう技は、大島紬など、しゃきっとした素材に向いています。


       朝涼し母の紬を縫ひ直し    仕立て屋お吟

2017年5月10日水曜日

男物の大島を女物に



隣町の着物好きさん、奄美大島出身の方から頂いた男物の大島紬を、
何年も手元であたためていたそうです。

そろそろ大島の似合う年齢になったということで、女物に仕立てるよう頼まれました。

ほぼ紺の無地に近い大島に、どんな八掛を合わすのでしょう?




渋いピンクと共に、本場奄美の大島紬がやってきました。

年月が経っているので、少々針の通りが悪かったですが、とても軽やかな袷に仕上がりました。




着付けた姿を拝見するのが楽しみです。


         薫風やよき手触りの紬縫ひ     仕立て屋お吟