2018年6月11日月曜日

単衣の身巾直し


単衣の身巾直しを頼まれました。



リバーシブルになっていて、表は閉じた扇子、裏は番傘。裾や袂からちらりと粋が見えます。



身巾を2㎝詰めます。全体で8㎝細めになります。お袖を外して、もの差しの角度で詰めるので、胸回りも細めになります。



この方は細めで170㎝と長身なので、身巾と肩巾の差がとても大きくなり、脇の縫い代のしまつが攣って見苦しくなります。

そこで、写真のように切り目を入れ、細かくかがりました。



藍と白だけの木綿は、大人の味ですね。

この方は薬剤師さんで、「白衣はもう飽きました。」と仰っていました。


    藍浴衣白衣を脱げばどなたかと      仕立屋お吟



2018年6月4日月曜日


絽の仕立てを頼まれました。



桔梗の地模様によろけ縞。



しるし付けをしようと、ヘラ紙に置くと、耳が攣っていることに気づきました。布地が波打っています。



必要な個所に、切り目を入れます。ひっぱって耳を伸ばします。
切り目を入れてはいけない個所もあるので、慎重に。



無難に仕上がってほっとしています。もうすぐ絽の出番ですね。


        縫ひあげし絽や朝まだき海の色      仕立屋お吟





2018年4月29日日曜日

綿麻の単衣


綿麻の単衣の仕立てを頼まれました。



大胆に片側だけに絞りがあります。

柄合わせは、片流れにして、衽に絞りを衿に無地をもってこよう、、、と考えながら反物をほどいていると、



あらら、途中から無地ばかりになりました。

これは斬新。粋なのができるぞ~っと縫っていたら、



はい、この通り、涼やかな一枚となりました。五月になったらすぐ着られるそうです。


        紺地なる単衣に白き絞り染      仕立て屋お吟

2018年4月10日火曜日

袷の道中着


袷の道中着を頼まれました。

長身の方で、長めがお好みですが、
表地が短めの羽尺なので、返りが少なく、通常の一着分の肩裏では足りません。

で、依頼主さんが考えられたのが、長襦袢の反物を買う事。
肩裏に相応しい遊び心満載の柄です。
ボンネットバス・クラシックカー・プロペラ機・汽船、、、




縫いあがるとこんな感じに。
訪問先で脱がれるときは、ちらりとお洒落心が見えるというわけです。



細く見えるように、裾つぼまりに仕立ててほしいということで、
裾で1㎝だけ巾をつめました。




        肩裏に粋がちらりと花衣    仕立て屋お吟




2018年3月31日土曜日

肩当


お父様の形見の長襦袢を肩当に使って、単衣の紬を縫うよう頼まれました。

長襦袢が出来たところでお父様が亡くなってしまわれたので、アンサンブル用の紬が残りました。

娘さんは170㎝と長身なので、一反だけでは足りないところでした。

写真は、アンサンブルの反物と長襦袢をほどいたもの。



通常は、単衣の紬には肩当をつけませんが、依頼どおり、柄のところを長めにつけました。

隠れたお洒落になりました。




         あたたかや父の形見を娘に仕立て     仕立屋お吟








2018年3月6日火曜日

仕立て直し


実家の箪笥に洗い張りされて眠っていた小紋を仕立てるよう頼まれました。

扇面をちらした鮫小紋です。



小紋の場合は、染みや変色部分を目立たないところへ回すことが出来ます。

八掛の裾のよごれも縫い代に入れます。



浅緑の上品で華やかな一枚の出来上がりです。

倉敷に海老蔵さんが来るので、さっそくこれを着て観に行かれるそうです。


        歌舞伎へと春の袷のしつけ取る     仕立屋お吟





2018年2月15日木曜日

身巾を小さく


お琴の先生より、小紋の身巾を小さくするよう頼まれました。

三月の発表会に、中2の孫娘さんが着るそうです。

五十年前のものが着られるなんて、着物ってすごいですね。

成長を祝って、長襦袢を新調します。桜尽くしです。半衿にも桜の花びら。




      春袷きらりきらりと躾糸       仕立屋お吟






2018年2月3日土曜日

単衣の道中着


単衣の道中着を頼まれました。

東レシルックです。紬の手触りで、とても軽くてさらさらしています。



絹糸を使うと、洗うと縮んでしまうので、糸もポリエステルを使います。

共布で、お花の紐飾りを作りました。



こういう色柄の好きな和裁の仲間がうらやましがっていました。



さあ、これを羽織ってどこに行かれるのでしょうね。


春立つやさらりとかろき羽織り物       仕立屋お吟

2018年1月21日日曜日

洗い張りの紬

着物を楽しみたくなった方から、紬の仕立てを頼まれました。

実家の箪笥を探すと、洗い張りした、こんな粋な紬が出てきたそうです。



長襦袢の裄と袖丈をお聞きして、体型にぴったりの長着をお作りしました。

何度も水をくぐったであろう紬はとてもやわらかくて縫いやすかったです。




      草いろの紬仕立てて春を待つ      仕立屋お吟





2018年1月14日日曜日

振袖を七歳の祝い着に


お祖母さんの振袖を七歳の孫の祝い着に直すよう頼まれました。

三軒の呉服屋さんに断られたそですが、
個性的な振袖なので是非という事で、引き受けました。

銀鼠のちりめんに藤色の熨斗が舞っています。
梅、桜にぼんぼり、杜若、柳に太鼓橋、月見団子、紅葉、銀閣寺、清水の舞台、大文字、、、
絵付師さんの遊び心満載です。



まず、両脇で3㎝ずつ詰めました。全体で身巾が12㎝狭くなります。
七歳にはまだ大きいですが、なんとか着られそうです。

次に広衿を半分に折って、腰揚げをします。そして肩揚げと袖揚げも。
ごらんのとおり、可愛くなりました。




        七歳の春着にほのと色香あり     仕立屋お吟