2020年11月29日日曜日

単衣の仕立て

単衣の仕立てを頼まれました。
東レの交織もの、絹30%です。
袖と地衿と掛け衿を敷きのしします。ポリ100%ですと 押しが効きにくいですが、30%でも絹があると押しが効きます。
染めむらのあった部分は、いしき当てに回しました。後巾と肩巾の 差が5㎝もあったので、脇の縫い代に切り目を入れて始末しました。 ☆☆☆☆☆縫ひ針のすいと山茶花日和かな   仕立屋お吟

2020年11月26日木曜日

袷小紋の大直し

身巾を広げるよう頼まれました。
魔除けのうろこ柄です。内揚げがたっぷりあるので、 150㎝しかない身丈も10㎝伸ばすことにしました。
身巾・身丈・裄・袖丈を直す、大直しとなりました。 右半分が大きくなったところ。
「ジュサブロー」の落款があります。あの人形師の辻村ジュサブロー さんは着物のデザインもされるのですね。八掛のこげ茶色が渋いです。
外科医が20時間に及ぶ大手術を終えた気分です。☆☆☆☆☆ 落款の粋を愛でつつ春著縫ふ    仕立屋お吟

2020年11月24日火曜日

羽織の仕立て

羽織の仕立てを頼まれました。
小紋の長着から作ります。ときのしから返ってきたところ。
羽織丈98㎝がご希望なので、ぎりぎり裁ち台でしるしがつけられます。 それ以上だと、床でのしるしつけになります。
サーモンピンクの優しい花柄、さらりと羽織りやすそうです。 ☆☆☆☆☆春著縫ふ背にほのぼのと日差あり     仕立屋お吟

2020年11月20日金曜日

長襦袢の仕立て

長襦袢の仕立てを頼まれました。
椎茸染という草木染で、皮膚によいそうです。
長襦袢も、袖の敷きのしをしっかりします。
地味な着物の下に、着られるそうです。 ☆☆☆☆☆初稽古袂にちらと色襦袢    仕立屋お吟

2020年11月16日月曜日

裄と袖丈直し

裄と袖丈の直しを頼まれました。
裄と袖丈の直しを頼まれました。 ご希望の寸法に直して、しっかり敷きのしします。
肩巾も、身八つ口をほどいて広げます。 元の折目は、湿らせたシルクを当ててコテを掛けて消します。
アンティークに近い、亡きお祖母様の五つ紋の色留め袖です。
それはそれは繊細な友禅染です。初春の狂言を観に行かれるそうです。 ☆☆☆☆☆初芝居祖母のかたみの着物きて    仕立屋お吟

2020年11月14日土曜日

身巾直し

身巾直しを頼まれました。 ほっそりして見えますが、年齢を重ねると腰回りが大きくなるようです。
脇をひっくり返し、元の縫い目を頼りに2㎝外を縫います。
表に返したところ。元の折目がくっきり見えます。
湿らせたシルクを当ててコテを掛けたら、ほぼ消えました。 ☆☆☆☆☆休日の着物楽しむ小六月   仕立屋お吟

2020年11月10日火曜日

訪問着の仕立て

訪問着の仕立てを頼まれました。
呉服屋さんの展示会用に仮縫いされたものです。
ときのしに出しました。
袖と地衿を縫って敷きのしします。
掛け衿は地衿が付いてから柄を合わせて敷きのしします。
振袖ほどの手の込んだ、優しい柄の訪問着です。 来月、七五三のお母さんとして着られます。 ☆☆☆☆☆七五三母の着物のはんなりと   仕立屋お吟

2020年11月6日金曜日

琉球絣

単衣の仕立てを頼まれました。
琉球絣です。きれいに洗い張りされています。
袖と衿と掛け衿をしっかり敷きのしします。
絹ものの単衣は、脇を二度縫いして縫い代をひらいてくけます。 縫い目の見えない高級仕立てです。預かっていた薄ピンクの胴裏で 衿裏といしき当と背伏せ布をとりました。
子育ても一段落したので、どんどん着物を着たいそうです。 ☆☆☆☆☆冬ぬくし琉球絣ひざに縫ひ   仕立屋お吟

2020年11月3日火曜日

七五三の揚げ

七五三の揚げを頼まれました。
大き目の四つ身です。蝶尽しです。
一重揚げをしたところ。腰揚げも肩揚げも袖丈ももったりしすぎです。
腰揚げと肩揚げに二重揚げをしました。袖にも揚げをしました。 可愛らしい三歳用になりました。 ☆☆☆☆☆結ふために伸ばせし髪や七五三   仕立屋お吟

2020年11月1日日曜日

白大島

単衣の仕立てを頼まれました。
袷だった白大島を洗い張りしたものです。変色部分がかなり残って いるので、裏表のない紬ですから、今度は裏を表にします。 おくみは上下もさかさまにしました。
袖と地衿と掛け衿をしっかり敷きのしします。
預かっていた薄いピンクの胴裏で、衿裏といしき当と背伏せ布を 取りました。
この一枚、活躍してくれることでしょう。 ☆☆☆☆☆縫ひあげし白大島に冬来たる   仕立屋お吟