2017年9月26日火曜日

七五三の着物



五歳の男の子の着物と羽織の仕立てを頼まれました。

お祖母様が着物好きだったこともあり、

このお子さんがまだ赤ちゃんの頃から白生地を探し、

着物の分は水色に、羽織の分は紺色に染め、

五歳になるのを待っておられたそうです。

お若いお母さんの丁寧な生き方に胸がキュンとなりました。




和裁士として、お子さんの健やかな成長を祈りつつ、仕立てさせていただきました。

袴をつけるともっと凛々しくなることでしょう。

三歳の妹さんは、お母さんが七歳のときに着た着物を着ます。


        兄ちやんは大海の色七五三       仕立て屋お吟


      


2017年9月12日火曜日

袷の小紋



朝晩涼しくなりました。

この夏は、クーラーの中で単衣や薄物ばかり縫っていたので、

夜風に当たりながら袷にとりかかるのが新鮮です。



色無地に近い淡いベージュの小紋。八掛も淡いオレンジです。




こういうとても繊細な地色の着物はお茶会で着られるのでしょうか。





源氏香という文様がちらばって、いい仕事しています。

源氏香は香道から生まれた「組香(くみこう)」の一種です。

組香のひとつひとつに、源氏物語の巻名「夕霧」とか「夕顔」とか、名前がつけられています。

楽しいですね。


             秋袷さらりさらりと針運ぶ     仕立屋お吟

2017年9月4日月曜日

異国の布



イギリス在住の方から布が送られてきました。

アフリカの民族衣装に仕立てる木綿で、オランダで織られたものです。

これで浴衣を縫ってほしいという依頼です。

プリントではなく、浴衣地などの日本の伝統的な両染めと同じく、表裏染められています。




筋肉質のコーヒー色の肌を美しく見せる色柄です。

浴衣に仕立てるとどうなるでしょう?






いかがですか?

イギリスの街角に似合いそうですね。

発想の豊かな依頼者さんに拍手です♪


        アフリカの布や浴衣に縫ひあげむ    仕立屋お吟