2022年5月28日土曜日

身丈伸ばし

 袷の長着の身丈直しにかかります。


裄と身丈伸ばしを呉服屋さんに頼んだところ、

身丈は無理ですと、裄だけ直って返ってきたようです。


袷は、直しに掛かる前に、表地と裏地のバランスが取れているか否か

調べることが大切です。

こちらの着物は、かなり表地がゆるんでいます。

直す折に、裏地を1㎝くらいよけいに伸ばしましょう。


おはしょりに隠れる部分に別布を継ぎ足して、

お母さんの着物が長身の娘さん用に生まれ変わりました。


表地のゆるみも解消されました。

    早々と葭簀めぐらせ紬縫ふ    仕立屋お吟




2022年5月25日水曜日

浴衣 仕立て

ひきつづき浴衣の仕立てです。


 ワインレッドの地色にうちわと杜若。

ワッフル状に織られていて、凹凸があり肌触りがよいです。


木綿も衿と袖を敷きのし。


上前の胸元と膝あたりの柄合わせに気を付けます。


お尻のあたりも同じ柄が来ないように。

こちらも演奏用でしょうか。


    しやり感のワインレッドの浴衣縫う   仕立屋お吟




2022年5月23日月曜日

浴衣 仕立て

浴衣の仕立てにかかります。


 個性的なトップモデルであられた山口小夜子さん監修のもののようです。


浴衣であっても、袖と衿を敷きのしするとぱりっと仕上がります。


お尻のあたりに柄が集まりすぎないよう、又、

柄がぽっかりなくならないよう、柄合わせします。


上前の膝あたりと上前の胸元あたりも野暮にならないよう気を付けます。

鼓の浴衣会に着られます。


   職辞してさてこれからや藍浴衣    仕立屋お吟





2022年5月19日木曜日

単衣 仕立て

単衣の仕立てに掛かります。


 お祖母さんの大島紬をご自分でほどいて洗ってみえました。

古い大島は、蘇鉄やハブの龍郷柄が多いのですが、

これは升の紋様のようです。


洗って耳が縮んだのか、耳がつっているので小さな切り目を細かく入れます。


風のように軽い一枚のできあがり。


    ひんやりと大島紬街若葉    仕立屋お吟




2022年5月13日金曜日

浴衣 仕立て

 浴衣の仕立てにかかります。


日本舞踊のお師匠さんのもの。

衿に白地を持ってくるよう依頼されました。

それが決まれば、自ずから他の柄合わせも決まります。

追っかけ柄にします。

繰り返しの使用と洗濯に耐えられるよう、肩当と、

いしき当てを新モスで付けました。

京都での浴衣会で着られます。

   お師匠の雪丸さんに浴衣縫ふ     仕立屋お吟



2022年5月10日火曜日

紋紗の羽織 仕立て

 うすものの羽織の仕立てにかかります。


紋紗の着物をほどいて洗い張りしたものから、羽織を仕立てます。


まず最初に衿を折って、3日以上敷きのしします。


裄いっぱいに仕立てるので、背縫いの袋縫いができません。

耳に切り込みが入っているので、背伏せ布をつけました。


周りの方に涼感を与える一枚のできあがり。


    紗の羽織縫ひさしてゆく街のカフェ   仕立屋お吟



2022年5月7日土曜日

単衣 付下げ 仕立て

付下げの単衣仕立てにかかります。


 屋根瓦の絵付けされた叩き染めです。


しるし付けの前の、脇の柄合わせ。

少しでもずれると目立ちます。


袖と地衿と掛け衿を敷きのし。


日本画家福田平八郎作「雨」へのオマージュの絵付けと思われます。

「雨」は、ぽつぽつと降り始めた雨粒を素焼きの屋根瓦がすうっと吸っている、

ただそれだけを描いた日本画です。

依頼者の着付け師さん、どのように着こなされるでしょう。


    スカイグレーパールグレーの単衣縫ふ   仕立屋お吟




2022年5月4日水曜日

しじら織 仕立て

単衣の仕立てにかかります。


 しじら織です。

凸凹に涼感があります。


広衿がお好みなので、新モスを衿裏に使い、敷きのし。


追っかけ柄に合わせました。


暑すぎる夏に活躍してくれそうです。

    みどりさす裁ち台に置くしじら織   仕立屋お吟