2026年7月6日月曜日

一回り大きく

 絽の付下げを一回り大きく直します。

おはしょりに隠れる部分に足し布をしますので、
まずは、着物を真っ二つに切り離します。

袖巾をいっぱいに出してもまだ足りないので、
前身頃の縫い代から、細長い布を捻出して、継ぎ足します。
あまり目立ちません。
しっかり敷きのし。
身丈も身巾も裄もご希望サイズになりました。
お茶会では、ざぞかし堂々と楚々と振舞われることでしょう。
    うすものを着て一番の力持ち   仕立屋お吟


2026年5月10日日曜日

小千谷縮

小千谷縮の仕立てにかかります。


 麻100%の小千谷縮。縦糸と横糸をうまく染め分けて、

こんな小粋な格子に織りあがっている。大きな格子なので、きっちりと格子がずれないよう柄合わせしたい。残布が50㎝でもあれば出来そうだが、さてどうなりますやら、、、

大きな格子の小千谷縮を、大きな格子という雰囲気を壊すことなく仕上げることが出来た。ずれると、ごちゃごちゃ感が出てくる気がする。60㎝ほど残布があったので、工夫して柄合わせをした。この格子の場合、真っ白の部分が印象的でいい仕事をしているので、

上前の胸元に真っ白の四角が来るよう頑張った。

肌に着て上布味はふ一と日かな




2026年4月1日水曜日

訪問着を道中着に

 袷の総絞りの訪問着を道中着に直します。

裾の柄を活かすことも、裾を切り落としてすっきりした柄にすることも出来ます。




裾の柄を活かした場合
裾を切り落とした場合
依頼者さんは、裾の柄を活かすのをご希望だったので、
胸から上を切り落として、
肩山で継ぎました。
総絞りはふわっとしすぎるので、
身頃の返りは少なく、
衿裏も共布でなく、胴裏にしました。
「日本一の桃太郎」柄の羽裏がたっぷり見えます。

春愉し脱げば羽裏にももたらう   仕立屋お吟













2026年2月4日水曜日

羽織を四つ身に

 羽織を四つ身に仕立て直します。


幼馴染Tの、生きていらしたら120歳のお祖母さんが、二十歳のTのために仕立てた羽織です。

Tが自分でほどいて、五歳の孫のために四つ身に縫ってほしいと持ってきました。

お祖母さんの娘の娘の娘の娘の着物になります。

女系五代の物語です。


四つ身の細い衿と大きな丸みの袖を縫って敷きのし。


羽織の前身頃が、四つ身の後ろ身頃になっています。

揚げをして、可愛い五歳の絞りの着物になりました。

雛祭りに、女三代が着物を着るそうです。

   雛の日に着せる着物の縫ひあがる    仕立屋お吟


T

2025年12月6日土曜日

身丈が足りない時

洗い張り済の紬の仕立て直しを頼まれました。

大切な方の形見の紬です。


身丈が10㎝足りないので、洗い張り済の紬用八掛を、おはしょりに隠れる部分に継ぎ足しました。

継ぎ足し部分がごろごろしないよう、薄手の布を使います。


掛け衿がとても短かったので、地衿を継ぎ足して、なんちゃって掛け衿にしました。

少し残った衿の布は、寸足らずの下前のおくみに継ぎ足しました。

織り糸の色目も手触りも素晴らしいので、「いいものをもらわれましたね」と添えてお送りすると、「娘さんから、久米島紬だと渡されましたが、久米島紬はコカコーラのような色ですよね?」と依頼者さん。

で、図書館で調べると、このような記述あり。

 「久米島紬の基本になる色は、黒褐色・赤茶色・黄色・鶯色・灰色の5色で、すべて島の植物から生み出される自然の色である。」

依頼者さんの紬は、黄色・鶯色・灰色あたりの色が混じっているので、二人の間で、久米島紬ということにしましょうと、意見がまとまった(笑)。

     冬うらら珊瑚の海の色の布   仕立屋お吟