2018年3月31日土曜日

肩当


お父様の形見の長襦袢を肩当に使って、単衣の紬を縫うよう頼まれました。

長襦袢が出来たところでお父様が亡くなってしまわれたので、アンサンブル用の紬が残りました。

娘さんは170㎝と長身なので、一反だけでは足りないところでした。

写真は、アンサンブルの反物と長襦袢をほどいたもの。



通常は、単衣の紬には肩当をつけませんが、依頼どおり、柄のところを長めにつけました。

隠れたお洒落になりました。




         あたたかや父の形見を娘に仕立て     仕立屋お吟








2018年3月6日火曜日

仕立て直し


実家の箪笥に洗い張りされて眠っていた小紋を仕立てるよう頼まれました。

扇面をちらした鮫小紋です。



小紋の場合は、染みや変色部分を目立たないところへ回すことが出来ます。

八掛の裾のよごれも縫い代に入れます。



浅緑の上品で華やかな一枚の出来上がりです。

倉敷に海老蔵さんが来るので、さっそくこれを着て観に行かれるそうです。


        歌舞伎へと春の袷のしつけ取る     仕立屋お吟