2022年2月28日月曜日

付下げの大直し

付下げの身丈伸ばしと裄伸ばしにかかります。


 黒地に個性的な友禅染の付下げです。

内揚げがないので、別布を継ぎ足して身丈を伸ばします。

裄もいっぱいに伸ばします。

袖巾をいっぱいに出して敷きのし。

おはしょりに隠れる部分で継ぎ足しています。

裏地も胴はぎの位置で継ぎ足しています。

ご希望サイズに直りました。

ジャズダンス教へることも春袷   仕立屋お吟



2022年2月24日木曜日

墨流し 仕立て

単衣の仕立てに掛かります。


 墨流し作家恭平さんの反物です。

化繊の布に染めてもらったそうです。


化繊はコテも利きづらいですが、敷きのしも利きづらいので、

何日も敷きのし。


柄合わせは、上前を上向きに持って来れば、自ずと右の後ろ身頃も上向き、

左後ろ袖も上向き、、、と決まります。

子育ても着物でなさった強者さんに、また個性的な一枚が仕上がりました。

   水色に着尺染むるも梅の頃    仕立屋お吟



2022年2月21日月曜日

身巾出し

身巾を出します。


一竹さんのぼかし染めです。

独特の地厚のちりめん。

2㎝出したところ。元の折り目がくっきり。

正絹の布をほどよく湿らせてコテをあてると、この程度には消えます。
脇で2㎝出すと、全体で8㎝広くなります。
鼓の演奏会で着られます。

   浅春の虹ともけふの裾模様   仕立屋お吟




 

2022年2月18日金曜日

四つ身 仕立て

初雛に着せる四つ身の仕立てを頼まれました。


 幼馴染のお祖母さんが幼馴染のために縫った総絞りの道行コートを、

お祖母ちゃんとなった幼馴染が、ハイハイを始めた初雛をむかえる孫に着せたいと、

せっせとほどきました。


大きな丸みの袖と棒衿と掛け衿を敷きのし。


3~4歳まで着られそうな四つ身の出来上がり。


身長65㎝、ゆき30㎝なので、二重揚げとなりました。

和菓子のような可愛らしさです。

雛祭りにお姉ちゃんたちと写真館へ行きます。


   肩あげも頬もまろまろ雛祭   仕立屋お吟





2022年2月16日水曜日

裄と袖丈直し

 裄と袖丈を伸ばします。


こちらの龍郷柄の大島紬と同じ寸法に伸ばします。

鹿児島の方からの依頼なので、本場の匂いがします。


伸ばす分量を確認して。


伸ばして敷きのし。


ぴったり同じ寸法になりました。

白大島は唐草文様です。


   裄なほす白大島や春の雪   仕立屋お吟



2022年2月11日金曜日

袷付下げの仕立て

 袷の付下げの仕立てにかかります。


全体に青海波の地紋があります。


青海波は、身頃も袖も衿も八掛も、すべて上向きに仕立てなければならないので、

裁断を間違えないよう、糸しるしを付けます。

袖と地衿と掛け衿をしっかり敷きのし。


お茶席で着られます。


    お茶人の着物の色の春めけり    仕立屋お吟




2022年2月3日木曜日

男物 長襦袢

最後に長襦袢にかかります。


 袖を作って敷きのし。


残布は内揚げといしき当てに使いました。

肩巾と後巾の差が6㎝もあるので、脇は二度縫いの後割って、つっぱらないよう始末しました。


紋付の下に着られますが、他の着物の下にも着られるよう柄物です。

女物と違って、袖に振りがなく付けづめなので、長襦袢はまったく見えません。

半衿のみ白です。


   春を待つへうたん柄の長襦袢   仕立屋お吟



2022年2月1日火曜日

男物 袷紋付着物

次は着物の仕立てです。

羽織より5㎜裄を短くします。


 袖と地衿掛け衿を敷きのし。

背紋合わせは、1㎜の半分もずれてはなりません。

衿先は三角に裏地を見せる高級仕立て。
下前の衿裏に名前を持ってきます。

   紋入れて届く反物春隣   仕立屋お吟