2021年6月26日土曜日

長襦袢 直し

袷の長襦袢の丈を4㎝短くするよう頼まれました。
下の記事の姉妹さんの依頼の続きです。
単衣と違って袷は少々手間がかかります。
たて衿の裾をほどいてひっくり返し、裏地の剥ぎの縫い目から4㎝深くコテで印をつけて縫います。
ひっくり返したついでに、背縫いのお尻のところが擦り切れていたので、1㎝深く縫い直して差し上げました。
裏から見たところ。裾から4㎝上に、元の裾のラインが見えます。
袖丈も長すぎたので7㎝短くしました。着付けのお稽古がしやすくなることでしょう。

  着るほどに馴染む着物や葛桜   仕立屋お吟

2021年6月25日金曜日

単衣 紬 仕立て

単の仕立てを頼まれました。
渋いピンクの紬です。 子育ても一段落したので、お姉さんと着付けを習い始められたそうです。
袖と地衿と掛け衿を敷きのし。
柄は目立ちませんが、同じ柄が並ばないように気を付けました。 さっそく着付け教室に持ってゆかれることでしょう。

   姉さんとゐること楽し単帯    仕立屋お吟

2021年6月22日火曜日

麻の着物 仕立て

麻の着物の仕立てが続きます。
若竹色です。藤色の並幅と比べて、10センチほど広幅です。
長身の方用です。
袖と地衿と掛け衿を敷きのし。
広幅のいしき当てを付けます。
広幅は、並幅のいしき当より3倍手間がかかります。
仕上がりました。このあと友禅染が施されます。
藤色も仕上がりました。緊急事態宣言が解除されたので、お出かけの機会が増えそうですね。

     藤色は母の色なり更衣   仕立屋お吟

2021年6月18日金曜日

麻の着物 仕立て

麻の着物の仕立てが続きます。
色の名は、淡紅藤(うすべにふじ)。江戸時代には紅藤色が流行ったとか。 前に同じ色の反物が来たときは、色の名が添えられていなかったので、 勝手にライラック色と決めて句を詠んだりしましたが、 やはり和の名前は素敵です。
袖と地衿と掛け衿を敷きのし。
三つ衿芯と力布は残布を利用。
広巾のいしき当をつけて出来上がりです。 このあと、友禅染がほどこされます。

色の名はうす紅藤やうすごろも   仕立屋お吟

2021年6月14日月曜日

浴衣 仕立て

浴衣の仕立てを頼まれました。
夏みかんと白い花の柄です。
夏みかんは花が咲くころまで木で熟れさせておきます。
袖を敷きのし。
三つ衿芯と力布を残布でとります。
丈が長く、1mの残布がでますので、依頼人さんのご希望通り、 左胸元に白い花を、左衿元とおくみの裾に黒い地色を、 持ってくることができました。
後ろ身頃もいい感じになりました。 コロナが落ち着いて、着てゆく場面が増えるといいですね。

夏みかんの柄おおらかに藍浴衣   仕立屋お吟

2021年6月11日金曜日

麻の着物 仕立て

麻の仕立てを頼まれました。
色の名は、青竹。
袖と地衿と掛け衿を敷きのし。 和裁は、すべての縫い目にきせをかけるので、敷きのしは大切です。
三つ衿芯と力布を共布で作ります。
あと、友禅染がなされます。

古都に住み青竹いろの薄衣   仕立屋お吟

2021年6月9日水曜日

浴衣仕立て 竺仙・綿紅梅

浴衣の仕立てを頼まれました。
竺仙の綿紅梅です。牡丹尽しです。
浴衣も袖を敷きのしします。
共布で三つ衿芯と力布をとります。
柄的に、柄合わせで大きく印象が変わることがありませんが、 背縫いに同じ柄がこないよう気をつけます。
上前の衽の裾が重くならないよう気をつけます。
左胸と左衿元の柄のバランスも考えます。 シャリ感のある涼やかな一枚です。 ☆☆☆☆☆一湾の夜景を玻璃に藍浴衣   仕立屋お吟

2021年6月7日月曜日

麻の着物

麻の着物の仕立てを頼まれました。
色の名がなかったので調べたら、「練色」「浅梔子」「「薄卵色」に 近い感じです。
袖と地衿と掛け衿を敷きのし。
三つ衿芯や力布は共布を使います。
麻は皺になりやすいので、どういう順番で縫ったら一番皺が 少なくて済むか考えます。 仕上がり後は、友禅染がなされます。 ☆☆☆☆☆うすごろもたまご色てふやさしさの   仕立屋お吟

2021年6月3日木曜日

単衣の大直し

単衣の大直しを頼まれました。
大直し承知でメルカリで買われた単衣です。 ところどころ絞って染められており、白く染め抜かれたひとつひとつが、 蛍の文様になっています。
まず袖巾 まず袖巾を出して敷きのし。
身頃の直しの真っ最中。 身丈が伸ばせたら、身巾を広げます。
ご希望サイズに直りました。 難しくてやりがいのある仕事です。
ほたるの 蛍の数、多すぎず少なすぎず、作家さんのセンスを感じます。 ☆☆☆☆☆風に吊るほたるぼかしの単衣物   仕立屋お吟