洗い張り済の紬の仕立て直しを頼まれました。
大切な方の形見の紬です。
身丈が10㎝足りないので、洗い張り済の紬用八掛を、おはしょりに隠れる部分に継ぎ足しました。
継ぎ足し部分がごろごろしないよう、薄手の布を使います。
掛け衿がとても短かったので、地衿を継ぎ足して、なんちゃって掛け衿にしました。
少し残った衿の布は、寸足らずの下前のおくみに継ぎ足しました。
織り糸の色目も手触りも素晴らしいので、「いいものをもらわれましたね」と添えてお送りすると、「娘さんから、久米島紬だと渡されましたが、久米島紬はコカコーラのような色ですよね?」と依頼者さん。
で、図書館で調べると、このような記述あり。
「久米島紬の基本になる色は、黒褐色・赤茶色・黄色・鶯色・灰色の5色で、すべて島の植物から生み出される自然の色である。」
依頼者さんの紬は、黄色・鶯色・灰色あたりの色が混じっているので、二人の間で、久米島紬ということにしましょうと、意見がまとまった(笑)。
冬うらら珊瑚の海の色の布 仕立屋お吟