2017年9月4日月曜日

異国の布



イギリス在住の方から布が送られてきました。

アフリカの民族衣装に仕立てる木綿で、オランダで織られたものです。

これで浴衣を縫ってほしいという依頼です。

プリントではなく、浴衣地などの日本の伝統的な両染めと同じく、表裏染められています。




筋肉質のコーヒー色の肌を美しく見せる色柄です。

浴衣に仕立てるとどうなるでしょう?






いかがですか?

イギリスの街角に似合いそうですね。

発想の豊かな依頼者さんに拍手です♪


        アフリカの布や浴衣に縫ひあげむ    仕立屋お吟









2017年7月28日金曜日

浴衣の腰揚げ



輪切りのレモンを散りばめたポップな模様。

中学生の女の子の浴衣です。




さっと着せてやりたいのと着くづれ防止を兼ねて、おはしょりの位置で腰揚げをするよう頼まれました。




さ、これで、同級生の男の子たちを追いかけても大丈夫。


       大人びてまだまだ子ども藍浴衣    仕立て屋お吟






2017年7月7日金曜日

仕立て直し



三歳の男の子のいる若いママさんから、仕立て直しを頼まれました。



ご覧のとおり、色も柄も肌触りも、彼女の好みだったので、一から仕立て直すことになりました。

裄も身巾も身丈も長くし、バチ衿も広衿にします。




通常小紋は、写真のように、衿肩明きを布の中心でまっすぐ切り目を入れて繰越を6㎝つまみますが、




少しでも身丈を長くとるために、カーブに切って、繰越はつまみません。これで、3㎝は長くなります。




はい、七夕の日に織姫が羽織るような単衣が縫いあがりました。


        七夕や着物好きなる若き母       仕立て屋お吟






2017年6月26日月曜日

洗える単衣


茶道と華道をたしなむ方から、
「とても汗かきなので、自宅で洗える着物を縫ってほしい」と、
単衣の仕立てを頼まれました。



東レシルックの色無地です。試行錯誤の末に完成されたであろう風合いです。
衿裏も東レシルック、背伏せ布はキュプラ、糸もシャッペと、抜かりなく買い揃えました。
うっかり絹を使うと、そこだけ縮んで大変です。



やや縫いにくかったですが、お茶席などでは、正絹を着ているように見えると思います。



紋も入れて、絹でなくとも、かなりの金額をかけた一枚と思われます。
初夏と初秋に大活躍してほしいものです。


      玉の汗茶道華道を究めむと     仕立て屋お吟

2017年6月20日火曜日

絽の羽織のリメイク


今日は和裁の集まりの日。

着付けの仕事をしている仲間が和服で来ました。



しみの目立っていた紬を裏返して仕立てた、彼女のお気に入りの一枚。



半巾帯をだらりの文庫に結んで、ゆったりと着なれた感じです。



そして、この塵除けのお洒落な羽織物はなんだと思われますか?

頂き物の絽の羽織の、なんと袖を外しただけの、究極の簡単リメイクの一枚です。

透けて見える流水の文様がなんとも涼やか。


    夏帯やこの母にしてこの娘     仕立屋お吟