2017年2月18日土曜日

子供の着物

七歳の着物好きの女の子の着物を頼まれました。

まずは、おばあちゃんの鹿の子絞りの羽織をほどいて。



羽織の丈が短かったので、八掛は、羽織の衿から取りました。
縦布でなく横布になりましたが、、。

子供用の衿を取った残りに、絞りの部分が残っていたので、
かろうじて、ふきの部分が表と同じ絞りになっています。

 
軽くて可愛らしい四つ身になりました。
 
 
 
 
 
次は、おばあちゃんの銘仙の着物です。
 
 
丈も身巾も小さめなので、
大人用のバチ衿の部分だけ子供用の棒衿にお直ししました。
 
 
揚げをしたら可愛くなりました。
 
七歳にしては、揚げがやや下すぎますが、
二重揚げにするとゴロゴロするので、
このままにしました。
 
春休みに記念撮影されるそうです。
 
 
七歳の春と着物と写真館      ひとみ
 
 
 
 
 


2017年2月7日火曜日

袋帯を作り帯に

袋帯を二部式の作り帯にするよう頼まれました。


手毬のすてきな柄です。


私は鋏を入れない方法で、和裁の仲間たちとわいわい言いながら、
一番いい柄が前後ろにくるよう、二重太鼓に作ってみました。

 
左右に紐をつけたら完成です。
 
その紐を結んで帯揚げと帯締めを結んだら、着付けの出来上がりです。
 
(手毬は新年の季語)
 
佳きことのあらん手毬の帯縫へば       ひとみ

2017年1月30日月曜日

小紋の丈を伸ばす

お母さんの小紋の丈を伸ばすよう頼まれました。


渋いピンクに地模様のある、色無地に近い品のいい柄です。

私の母が1000円でほどくので、一から縫い直します。

娘さんはお母さんより10㎝も高く、内揚げもなかったので、別布を足すことにしました。


おはしょりの内側に隠れる位置を想定して、えいやあっと鋏を入れ、別布を継ぎ足して、しるしをつけるところです。

縫い直しは、破れや汚れや寸足らずが見つかるので、先を先を読まねばならず、かなり気を使います。
それだけに出来上がった時の達成感はひとしおです。


お母さんの小さな着物が大きく蘇りました。
別布は、ばっちりおはしょりに隠れます。
お茶事に着られるそうです。
仕立て屋冥利に尽きます。

     春を待つ小紋の色でありにけり     ひとみ

2016年12月27日火曜日

振袖を訪問着に

振袖を訪問着に直すよう頼まれました。



肩から袖へ熨斗の柄がつながっているので、
   下半分を切り落とすのが自然です。

しかし、将来また振袖に戻したいということで、
   鋏を入れずに袖を仕立て直しました。


 
柄はつながっていませんが、
着付けるとあまり違和感はないと思います。
 
早春の結婚式に着られるそうです。
 
春著縫ふ日当たりのよき仕事部屋  ひとみ
 
 
 

2016年11月15日火曜日

着物を洋服に

和裁の仲間が、紗で秋物のコートを作りました。

紗といえば盛夏のものですが、紅絹を使って袷に仕立てています。

紗にはめずらしい薔薇の柄。

大きな衿と、折り返した袖口の紅絹がポイントです。

顔を写すなと言われて残念ですが、彼女、長身の美人ピアノ教師です。

 
 
手縫ひして絹は佳きかな冬日和