2021年9月30日木曜日

切り嵌め 着物

 二枚の着物から一枚の着物をつくります。

依頼者さん自らほどいて洗われました。


アンティークといえるお祖母様の大島に色無地を足します。

見本にと写真を添えてくださいました。


身頃のしるしがついたところで、斜めのラインが繋がるよう衽に糸しるしをつけます。


袖をつくって敷きのし。

右の後ろにも色無地を切り嵌めしました。


掛け衿の変色が目立ちますので、地衿をつまんで、なんちゃって掛け衿にしています。

元の掛け衿は、下前の地衿に継いでいます。


後姿もチャーミングになるでしょう。


     なほし着る祖母の大島菊日和    仕立屋お吟



2021年9月23日木曜日

胴抜き 仕立て

胴抜きの袷の仕立てを頼まれました。


 どちらの織物でしょう、光沢とシャリ感が特徴です。

もちろん胴裏はなくて淡いピンクの八掛のみ。


袖口布のみ付けて敷きのし。


身頃も八掛のみ付いています。


追っかけ柄が粋です。


衿には明るい色を持ってきました。

二十代の方、どんなコーディネートをなさるのか楽しみです。


     衣擦れの音きはやかに縫ふ月夜   仕立屋お吟




2021年9月20日月曜日

産着を七五三に

 七五三の揚げを頼まれました。


百日参りで着た産着を五歳の男の子に直します。

腰揚げは袴で隠れるので、短めにさえ仕上げれば位置はこだわりません。

肩揚げは肩幅よりやや狭くすると可愛いです。


産着は平袖といって丸みがなく袖口も開きっぱなしなので、

可愛い丸みをつくって、袖口下を縫い閉じます。

着る気まんまんのお兄ちゃんでした。


     妹にやさしき兄や七五三   仕立屋お吟




2021年9月17日金曜日

羽織 仕立て

袷の羽織の仕立てを頼まれました。


箪笥に眠っていた白生地を染めたものです。

その色の名は、、、「ねこやなぎ色」

素晴らしきかな、和の色の名。

肩裏は、洗い張りしてあったもので、足りないので袖裏を身頃に継ぎ足します。


 羽織丈は100㎝くらいがご希望でしたので、

裁ち台で作業できる98㎝にさせていただきました。

前落しの部分は、マチと袖口布になります。


マチ裏は裏地を継ぎ足してあります。


羽織の襟は、最低でも三日は敷きのしします。


寒くなったら、はんなりした色が活躍してくれることでしょう。


     ねこやなぎ色に絹染め秋の風    仕立屋お吟



2021年9月14日火曜日

久留米絣 仕立て

木綿の着物の仕立てを頼まれました。


 久留米絣です。

まず袖をつくって敷きのし。

縫い進むほどに、布の方から寄り添ってくれます。
よい木綿です。

背縫いの上の方だけ、柄を合わせることができました。

白衣の看護師さん、お休みの日はお着物の色を楽しんでくださいね。

    霜月の星空のごと紺絣    仕立屋お吟