黒留袖の身巾を出すよう頼まれました。
依頼者さんが久しぶりに箪笥から出したところ、
裾の模様のあるところ全体に黴がきていました。
馴染のクリーニング屋さんへ持ってゆくと、
「模様のあるところは通気が悪く湿気が来やすい」とか。
広げる脇縫いをちょっとほどいて、縫い代の部分も黴とりをお願いしました。
腕の良い職人さんなので、きれいに黴をとってくださり、
他の変色部分には黒い染料を注してくださったとか。
新品のようにきれいになりました。
脇を広げると、写真右下、脇に描かれた鶴はこのようになりましたが、
二匹の鶴が仲良く並んで飛んでいると思いましょう(笑)。
ご両親がお嫁に持たせてくれた高価な黒留袖。
新郎の母の晴れ舞台を飾ってくれることでしょう。
はつ秋の婚へ裳裾の鶴翔てり 仕立屋お吟
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