2021年7月30日金曜日

黒留袖 身巾直し

 黒留袖の身巾を出すよう頼まれました。


依頼者さんが久しぶりに箪笥から出したところ、

裾の模様のあるところ全体に黴がきていました。

馴染のクリーニング屋さんへ持ってゆくと、

「模様のあるところは通気が悪く湿気が来やすい」とか。


広げる脇縫いをちょっとほどいて、縫い代の部分も黴とりをお願いしました。

腕の良い職人さんなので、きれいに黴をとってくださり、

他の変色部分には黒い染料を注してくださったとか。

新品のようにきれいになりました。


脇を広げると、写真右下、脇に描かれた鶴はこのようになりましたが、

二匹の鶴が仲良く並んで飛んでいると思いましょう(笑)。


ご両親がお嫁に持たせてくれた高価な黒留袖。

新郎の母の晴れ舞台を飾ってくれることでしょう。

   はつ秋の婚へ裳裾の鶴翔てり   仕立屋お吟

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