2019年8月22日木曜日

浴衣


長唄の三味線を弾く方から浴衣を頼まれました。



お師匠さんの名が、「今藤佐志郎」なので、

一門のそろいの浴衣を「さしろう柄」にしています。

三・四・六の柄がランダムに散らばっています。



浴衣ですが、お好みで広衿にしました。

八月末、京都で開催される「ゆかた会」で着られます。

綺麗所も交えての、さぞかし粋な演奏会になることでしょう。


長唄も三味もそろひの浴衣かな      仕立屋お吟



2019年8月20日火曜日

仕立て直し


袷の紬を新たな寸法で単衣に直すよう頼まれました。



クリーニング屋さんに、ほどきと表地だけのふかしを頼みます。



身丈が足りないので、おはしょりで隠れるあたりで切り離し、



別布を継ぎ足します。

単衣なので、継ぎ足した後、縫い代の始末を丁寧に確実にします。



ご希望の寸法に仕上がりました。

着付けると、継ぎ足し部分は見えません。

秋風に似合いそうな一枚になりました。


      虫の音や直せば着物よみがへり        仕立屋お吟







      

2019年8月13日火曜日

七五三の揚げ


早々と七五三の揚げを頼まれました。



七歳の女の子が着ます。

この子の叔母様がお琴の発表会に着たものです。

久しぶりに風を通されて、日の目を見ることになって、

着物も喜んでいることでしょう。



七歳の揚げは、下すぎて幼くなりすぎないように、

上すぎておませになりすぎないように心がけます。


     秋涼しうりざね顔の七歳も      仕立屋お吟






2019年8月7日水曜日

身巾直し


着物のお直しをたくさん頼まれました。

お姑さんが自分で縫って自分で着られていたものです。

それをごっそり頂いて、茶道を再開したいとのこと。



まずは、泥大島の長着から。

裏はごく薄い紅絹なので、破かないよう気をつけて袖を外します。



脇で3㎝づつ広げます。

全体で12㎝身巾が広くなります。



くっきりと出た、もとの折り目。



湿らせた絹布をあててコテをかけると目立たなくなりました。



この大島、昔の物なのでとても軽いです。

お客さんとしてお茶会へゆくときの、素敵な一枚になりました。


     立秋の手織りの絹のかろさかな      仕立屋お吟





2019年8月3日土曜日

長襦袢の袖


夏用の長襦袢の袖を無双袖(袷)にしてほしいと頼まれました。

東レの既製品です。

さらさらとして着やすく洗いやすいので、年中着たくなられたとか。

着物を頻繁に着られる、近所のお茶の先生です。



手持ちの正絹の長襦袢地をお分けすることにしました。

水通しをしてからしるしをつけます。

水通しをすると、洗ってもこれ以上縮みません。



既製品の袖をはずします。



上に着る着物に合わせて、裄の寸法をとりました。

身長が少しずつ低くなられているので、裾も少し折り返しました。

お茶人として、ますますのご活躍を。


      お茶人のささつと洗ふ汗のもの      仕立屋お吟