2023年4月22日土曜日

市松模様の単衣仕立て

単衣の仕立てに掛かります。


あんず色の淡い市松模様です。


袖と地衿をつくって敷きのし。


掛け衿を柄合わせしました。



袖も柄合わせしました。



背縫いと衽の柄合わせは、市松模様では当然です。
丈の長い反物だったため、
柄合わせが思い通りに出来ました。

新緑の中で映えることでしょう。

長唄の稽古単衣のあんず色    仕立屋お吟





 

2023年4月6日木曜日

胴抜き仕立て

 胴抜きの仕立てに掛かります。


東京の娘さんを訪ねた折に、ふらっと入った呉服屋さんでみつけた一反の紬。

大人の買い物ですね~。

八掛は、ネットでみつけた、四つ葉のクローバー柄です。


バチ衿がお好みなので、つくって敷きのし。


八掛だけ表にくけると糸目が見えるので、

ご希望に添い、胴裏も少し継ぎ足して、おはしょりに隠れる位置でくけました。


背縫いのところだけ柄合わせしています。

年明けから預かっていたのに、四月の仕上がりになってしまいました。

でも一回くらいは着ていただけるかな?

   八掛の萌黄ちらりと春しぐれ   仕立屋お吟



2023年3月19日日曜日

紋付羽織

男物の紋付の羽織の仕立てにかかります。


 神主さんの羽織です。

交織物なので、染め紋は無理ということで、刷り込み紋となっています。

刷り込み紋は、折ったところの染料がぱりっと折れるので、

紋合わせに細心の注意が必要です。


羽織丈98㎝までなら、へら台での作業が可能。

それ以上は、床での作業となり、身体がややきついです。


仕上がりました。

男物は袖が付け詰めなので、突っ張らないよう工夫します。

      新調の紋付届く花の宮   仕立屋お吟






2023年2月27日月曜日

仕立て直し

 洗い張り済の大島に、骨董市で手に入れた八掛を合わせて仕立てます。


お祖母さんの鶴の紋様の渋い大島。

洗い張り済みです。

これに、京都は東寺の終い弘法で手に入れた八掛を合わせます。

経年物の白地をいろいろな色に染めて、1.5mに切ったものが売られていたそうです。

ちょっと前は、思わず買いたくなるような着物が安く売られていたそうですが、

現在は、いいものはすべてお高いとか。

唯一買えた、このトルコブルーの1.5m×四枚。

八掛には3枚で足りると告げると、残り一枚は帯揚げになさるそう。

通常は表地のほうが重いのですが、
この着物は八掛がちりめんのため、裏地の方が重くて垂れます。
袷は、着付けた時に表裏のバランスがよくなるよう仕立てますので、
畳むと、表が少々ふわふわしています。
「上にほかの着物を置かないように」の注意書きを添えて、お渡ししました。

    さし色にトルコブルーを春袷    仕立屋お吟




2023年2月11日土曜日

お祖母さんの着物の仕立て直し

洗い張りされたお祖母さんの着物を、美肌アドバイザーのお孫さんに仕立てます。

去年の秋からお待たせしていました。


とても軽い織の着物です。

紫の八掛は使えますが、紅絹は弱っているので、

手持ちの経年物の胴裏をお分けしました。


身丈が足りないので、長い袖を切って継ぎ足します。

まずは、身頃の裾から90㎝のところを切り離します。


一尺三寸分の袖を残して切り離します。


衽も足りないので、縫い代になる部分を切り離して、衽の上部に継ぎ足します。


無事仕上がった袷。

羽衣の軽さです。

   美肌アドバイザーけふ紫の春袷   仕立屋お吟