2019年2月16日土曜日

訪問着の身丈を伸ばす


訪問着の裄と身巾と身丈を伸ばすよう頼まれました。

部分直しで袷の身丈を伸ばすのは不可能なので、ほどきと湯のしに出します。

一から縫い直すということですが、

袖口部分はそのまま使えます。



袖巾をいっぱいに出して、布団の下に敷きのしするところ。



長身の方なので、内揚げはなしにして、しるしをつけるところ。脇の柄は無視することになりますが、大丈夫です。

波だって見えるのは、ぼかし柄です。



帆掛け舟をちらした上品な一枚の出来上がりです。


      卒業の子に添ふ母の訪問着       仕立屋お吟





2019年2月9日土曜日

付下げ小紋を羽織に


付下げ小紋を羽織に直すよう頼まれました。



小さな水玉が裾へゆくほど大きくなっています。

依頼者さんは、このバリエーションがお好きだったのですが、

残念ながら、羽織に仕立てると、いくら110㎝の長羽織でも、

大きな水玉は裏に回ってしまします。

衿は衽を使うので、かろうじて衿でバリエーションを楽しめます。



衽を衿の中央で継いだところ。

下前に作者の銘が入っています。

この銘が表衿に出ないように折らなくてはなりません。



ぎりぎり、裏衿に回りました。やれやれです。

衿は、4、5日布団の下に敷いて寝ます。

敷きが足りないと、きりっと仕上がりません。



衿ごしらえが出来ると、身頃のしるし付けにかかります。

110㎝と長い羽織なので、作業台では無理で、居間の床でがんばりました。



仕上がりました。袖口部分は付下げのをのまま使ってあるので、赤い八掛が粋です。



羽織紐はどんなのを選ばれるでしょうね。


     春袷英国人を夫に持ち      仕立屋お吟


2019年2月5日火曜日

名古屋帯 開き仕立て


名古屋帯の仕立てを頼まれました。

一風変わった名古屋帯です。

イスラム教徒の女性がかぶる、バティックという布を使い、

両面使える開き仕立てにします。

器用でセンスのいい和裁仲間が、ミシンと手縫いで仕立てます。



巾110㎝×4メートルのバティックです。

右の派手な柄を片面に、真ん中の柄をもう片面に持ってきます。

お太鼓の部分は、帯芯を二重にします。

左の地味なところは残布となります。



派手な方、お太鼓にざっと畳んでみました。



地味な方も同じように畳んでみました。

リバーシブルで二通りに結べるわけです。



作り帯にすると、派手な方をお太鼓に、地味な方を胴にすることができます。

どんなお着物と合わすのでしょうね。長身の依頼主さんにお似合いのことと思います。


        春めくや異国の布の名古屋帯    仕立屋お吟





2019年1月26日土曜日

振袖の仕立て


振袖の仕立てを頼まれました。

呉服商をされていた亡きお祖父さんが、
お孫さんのために取っておかれたものです。



仮縫いの状態ですので、ほどいてのします。

仮縫いは大きめに縫ってあるので、折り目はすべて縫い代に入ります。



水仙・石楠花・菊のデフォルメされた、個性的な柄です。

天国からお祖父様も微笑んでいらっしゃるでしょう。


        振袖や祖父の見立てし春の色    仕立屋お吟





2019年1月12日土曜日

反物の水通し


単衣の小紋と長襦袢の仕立てを頼まれました。



絹ですが、家で洗濯したいということで、依頼者さん自ら水通しをされた反物です。



長襦袢の地衿には固い芯を二枚重ねで入れ込んでほしいとの依頼でしたので、

このように畳もうとしても、衿が立体的に立っています。



遊び心のあるパステルカラーの長襦袢です。


     袂よりちらり春待つ萌葱色      仕立屋お吟




2019年1月4日金曜日

訪問着


訪問着の仕立てを頼まれました。

華やかで格調高い柄です。



お茶をされる方なので、前巾を広くとります。

絵付けは普通サイズでなされるので、脇の柄が少々ずれてしまいますが、

ずれが目立たないように折り合いをつけます。

背と衽と衿の模様はぴたりと合わせます。



お正月の縫始に相応しい一枚となりました。


       泡美しきお薄の色を縫始      仕立屋お吟   (美しき・はしき)