2023年8月7日月曜日

小さい反物

 巾も丈も小さい反物から、大き目の浴衣を仕立てます。

先日亡くなった三味線のお師匠さんから頂いたものなので、是非仕立てたいとのこと。
普通に裁断したのでは、裄70は取れないので、
身巾を加減して、余裕のできた前巾の縫い代から、6×110㎝の布を捻出。
身長190㎝の男物の着物の脇の縫い代から、
袖に継ぎ足す布を捻出したことはあったけれど、
この部分を切り落とすのは、40年の和裁歴でも初めて。

このように袖巾が出ました。

おくみ縫いの縫い代はたったこれだけに。
しかし、着たらわかりません。

反物の丈が短すぎるのは、いつもの特殊な裁断で、衿に足し布をして、ご覧のとおり。
着たらわかりません。
鼓や三味線のお稽古は、いつも和服の依頼者さん、お師匠さんが天国から見守ってくださることでしょう。
   
    お師匠を偲ぶ浴衣の波尽し    仕立屋お吟


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