2020年6月3日水曜日

麻の着物


麻の着物、つぎは、



練色(ねりいろ)です。

『色の手帖』より

生絹を伸ばしたり固めたり煮たりすることを「練る」と言う。

生絹を練って、膠質(=セリシン)を除いてしなやかにした糸や織物のような色。

『堤中納言物語』の中の「虫めづる姫君」に、このようなくだりがあります。

***ねり色の綾の袿(うちかけ)ひとかさね・・・白きはかまを好みて著給へり***

伝統色名には魅せられています。



麻の織り物ですから、ところどころ「ふし」がいい味を出しているのですが、

反物を点検していて、目立ちすぎるふしを見つけました。

これは、残り布に行くように裁ちます。



背伏せ布をつけているところ。

背伏せ布は、50㎝に2㎜ほどゆるめると、きれいに仕上がります。

ミシンでは出来ない加減です。



仕上がりました。茶道をなさる方なので、前巾を少し広めに仕立てました。

     
       着物きて朝風のごと風炉点前     仕立屋お吟



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