2019年7月23日火曜日

絞りの浴衣


浴衣の仕立てを頼まれました。

急ぎの盛夏用としては、これが最後でしょうか。



涼しげな色合いの、有松鳴海絞りです。

総絞りは、じゃじゃ馬娘。

つけたしるしが見えにくいのが難点です。

しかし、うまく飼いならせば、一を聞いて十を知る賢さがあります。

自らきれいに仕上がりたいという意思を持った反物なのです。



まず、背中やお尻のあたりに同じ柄が並ばないように気をつけます。



衿元には、華やかな柄をもってきます。



上前の衽の膝のあたりにも、ポイント柄をもってきます。

ひと夏の思い出をつくってもらいたいものです。


      名にし負ふ鳴海絞りの浴衣縫ふ        仕立屋お吟



2019年7月17日水曜日

道中着


単衣の道中着を頼まれました。



夏大島です。透けています。

着尺なので着物にもできますが、

ふと、道中着もいいかな~っと思われたそうです。



耳がつっているので、ごく細かく鋏をいれます。

単衣に仕立てるので、袷のように5㎜の切り目を入れることはできません。



紐飾りは、いつものお花です。



晩春や初秋にふさわしい一枚ですね。


梅雨の月紬縫ふ手を休めては       仕立屋お吟




2019年7月9日火曜日

二重揚げ


七五三の前撮りの揚げを頼まれました。

真夏に前撮りをすれば、空いていてゆっくり出来るようです。



それにしても、この大きさ。

下に吊るしてある、身長160㎝の方の絽の着物とあまり変わりません。

それを2歳の子が着るのですから、そうとう無理があります。



まずは、一つ目の揚げをしたところ。

身八つ口ぎりぎりで腰揚げをつまみ、

衿付けぎりぎりで、肩揚げをつまんでいます。

このままでは不細工ですので、二重揚げをします。



なんとか三重揚げにならずに済みました。

袖も長すぎるので、揚げをしました。

いやがらずに着てくれますように。


     幼子を涼しくあやしカメラマン       仕立屋お吟




2019年7月4日木曜日

男物を女物に


男物の夏大島を女物に仕立て直すよう頼まれました。

着物で通されたお父様の形見だそうです。

洗い張りして仕立てたものが、躾のついたまま遺されていました。



ほどいてのしたものにしるしを付けます。



男物には十数㎝の内揚げがありますが、

伸ばしてもまだ身丈が足りないので、おはしょりに隠れる部分に足し布をします。

まず、裾から90㎝のあたりを思い切って切り離します。



私の手持ちの布の中で、一番素材と色の近い物を継ぎ足します。

これでやっと全体のしるし付けに取りかかれます。



衽は大幅に足りなかったので、掛け衿を継ぎ足しました。

なくなってしまった掛け衿は、地衿を折って、見せかけることにしました。

大変やりがいのある仕事でした。


     縫ひあげてうすものに風生まれけり       仕立屋お吟



2019年7月1日月曜日

留袖の裄直し


留袖の裄を伸ばすよう頼まれました。

新しく買われた長襦袢に合わせて寸法を決めます。





まず袖を外して、袖巾を広く縫い直します。

留袖には比翼がついているので、比翼も同じく縫い直して、

しっかり敷きのしします。





元の折り目もきれいに消すことができました。

8月の息子さんの結婚式が待たれますね。


       八月の婚へ留袖しやんと着て      仕立屋お吟