2020年5月3日日曜日

木綿の着物


おうち着物の方の五枚目です。



臙脂色の紬の風合いの木綿です。

身頃と袖を取った残りが70㎝でしたので、

新モスを継ぎ足して衿を作りました。



この生地も、袖や衿の継目がほとんど分かりません。

コロナ禍のこの初夏を、木綿を着ておうちで楽しんで頂きたいです。


     浴衣着てエキゾチックなお顔立ち      仕立屋お吟



2020年5月1日金曜日

木綿の着物


しじら織から始まった、おうち着物のお客さんの四枚目です。



つむぎ風の格子柄の木綿です。



今までと同様、前身頃の脇の縫い代を切って、袖に継ぎ足します。



この反物は、さらに丈が短かったので、

かろうじて残った70㎝の布を三等分して、衿を作ります。



新モスも70㎝を三等分して、継ぎ足します。



このように、新モスが継ぎ足されました。

着ると見えません。



仕立て上がりました。袖と衿の継ぎ足し部分はほとんど気づかれないでしょう。

布選びがうまいです。

        はつなつの格子木綿にあはす帯       仕立屋お吟




2020年4月27日月曜日

草木染


単衣の仕立てを頼まれました。



「草木下染め」とあります。

藍を使っているようです。



とてもさらりとして素直な絹ですが、

ぱりっと仕上げるため、いつも通り、袖と地衿と掛け衿は二日は敷きのしします。



背やお尻に同じ柄が並ばないよう、柄合わせをしました。



上前のおくみの膝あたりに、ポイント柄をもってきます。



左の衿元も引き締まるよう、柄をもってきました。

長身の方で残り布は出ませんが、その中でも最良の柄合わせを考えるのは、楽しい作業です。


    藍染へ針すいすいと夏隣      仕立屋お吟



2020年4月22日水曜日

麻の着物


麻の着物の仕立てを頼まれました。



ごく淡いむらさきです。



背伏せ布も力布も共布で取れました。



透けている麻なので、広幅のいしき当てをつけます。



仕上がりました。

これに友禅染が施されます。

麻なので、縫っているとどうしても皺ができます。

しかし、仕上げは、敷きのしのみにしておきます。


      その皺も麻の着物でありにけり     仕立屋お吟



2020年4月18日土曜日

長着を羽織に


袷の長着を羽織に仕立てるよう頼まれました。



楓の地紋のあるちりめんに、薔薇の柄が施されています。

依頼者さんがご自分でほどいて洗われました。

肩裏はネットで買われました。



長着を羽織にする場合、衿はおくみを継いで作ります。

羽織の衿は、一番に作って敷きのしを数日します。



羽織丈105㎝と長いので、へら紙を継ぎ足して居間の床でしるしつけをします。

いいストレッチになります。



仕上がりました。

肩裏が足りないので胴裏を足してあります。

薔薇は秋薔薇も冬薔薇もあるので、秋から春までかろやかに着られそうです。


薔薇香るころやシルクを縫ひあげて    仕立屋お吟