2018年7月25日水曜日

仕立て直し


洗い張りされて箪笥に眠っていた大島紬の仕立てを頼まれました。

昔ながらの織機で織られたであろう、やさしい手触りです。

依頼者さんに、紬用のシャリ感のある八掛を買っていただきました。



真夏に袷を縫うのは躊躇しましたが、苦も無く、羽衣のようにかるい一枚が仕上がりました。





人の手で織られし絹の涼しかり        仕立屋お吟

2018年7月12日木曜日

袷を単衣に


袷の小紋を単衣に直すよう頼まれました。

以前は、母が1000円でほどいて綺麗にアイロンかけしていてくれたのですが、

身八つ口の留めをほどくとき、布をほつれさす危険性が出てきたので、洗い張り屋さんに「ときのし」を頼みました。



ちゃんと縫い合わされて反物のかたちになって帰ってきました。湯のしをするとしなやかになります。

しなやかになると、縫いやすくもなります。



流水の地模様に涼しげな植物。屋形船に乗っての、内輪の同窓会に着て行かれるそうです。


        遊船や和服で出向く同窓会    仕立屋お吟






2018年7月2日月曜日

紗の羽織


紗の羽織の丈を伸ばすよう頼まれました。



なるほど、ちょっと短い感じがします。




裾の折り返しがこれくらいあるし、衿の折り返しも多めにあるので、ぎりぎり出せるだけ出すことにしました。




折り返しはこんなに少なくなりましたが、8.5㎝伸ばすことが出来ました。これだけでも、ずいぶん印象が変わりました。

とてもフットワークのよい依頼者さんで、西大寺から電車を乗り継いで取りに来られます。

お天気が良ければ、駅からはレンタサイクルだそうです。


       夏羽織思ひ立つたらすぐ旅に       仕立屋お吟




2018年6月28日木曜日

近江上布


六月は盛夏へ向けての仕立てで、大忙しでした。

近江上布を立て続けに六枚。縫っていて皺になりますが、神経質にアイロン仕上げはしません。

「作れる分だけを丁寧に作り上げる、大量生産にはない職人の手仕事の良さを追求」している呉服屋さんからの頼まれ物です。



お袖を縫って布団に敷きのしするところ。長身の男性の方で裄がとれないので、足し布をしています。

仕立て上がると、再び敷のしします。毎日、何かしら敷のししています。ですから、私は毎日広縁に布団を干します。

灰桜、濃緑、源氏鼠、錆鼠、、、と縫ってきました。化学染料ではない顔料で客の好みの色に染めるそうです。

これは、錆鼠。添えている反物は山葵色。これが縫い終わると、一息つけます。


     上布着て京は男もはんなりと      仕立屋お吟





2018年6月21日木曜日

袷の小紋


袷の小紋の仕立てを頼まれました。



黒と鈍色の大きな縞に細い臙脂が縦に一本織りこんであります。八掛も黒。粋です。



衽に臙脂を持ってきて、衿を黒にするか、




衿に臙脂を持ってきて、衽を黒にするか、依頼者さんと相談した結果、




後者を選びました。やはり、この反物の命である臙脂を顔に引きつけて、正解だったようです。


        黒といふ色の華やぎ夏灯          仕立屋お吟