2019年3月29日金曜日

留袖の仕立て直し


黒留袖の仕立て直しを頼まれました。

お洒落だったお母様の形見の留袖です。

裄も身巾も身丈も大きくしなければならないので、ほどいて一から縫い直します。

丁寧な仕立てでしたので、袖と衿は再利用できます。

身頃のみ解きのしに出しました。



袖巾を伸ばして、衿とともに二日ほど敷きのしします。



身頃のしるしつけ。胴裏と八掛がいっぱいいっぱいでしたが、身長+5㎝にはなります。



黒留袖には、慶事が重なるようにという重ねの着物の代わりに、比翼がつきます。

↑の裾周りと袖と衿をつけます。



絹の躾糸で「縫いじつけ」という飾り兼補強をします。衿と袖口と裾周りにします。



風薫る五月の子どもさんの結婚式が待たれますね。


新緑の婚や形見の晴着着む     仕立屋お吟





2019年3月17日日曜日

裄直し


裄のお直しを数枚頼まれました。

茶道を始められた若い女性です。

それならと、お祖母さまがゆずってくださったそうです。





巻物や扇子など、調度の文様です。

シックな地色なので、帯揚げや帯締めの色を楽しめそうですね。



くっきりと残っていた長年の折り目も、なんとか目立たなくなるまで消せました。


        春袷茶道てふもの習ひ初め      仕立屋お吟






2019年3月11日月曜日

大人の着物を子供に


大人の着物を七歳用に直すよう頼まれました。



お祖母さんが振袖として着られ、袖を短くして訪問着として着られたものです。

扇面の文様が華やかです。

それを娘さんがお祝いごとに着られ、今度はお孫さんの七五三のお祝い着になります。

民族衣装である日本の着物のよろしさです。



身巾を脇で3㎝つめ、袖付や身八つ口も子供サイズにします。

広衿も半分に縫い綴じました。



身丈以外は、すっかりほっそりとした子供サイズになりました。

撮影の日が近づくと、肩揚げと腰揚げをします。

それまで、我が家の箪笥でおねんねです。


     娘が孫がうけつぐ母の春袷      仕立屋お吟

2019年3月2日土曜日

振袖を訪問着に


振袖を訪問着に直すよう頼まれました。

お好みの長さにしるしをつけ、切り落とします。

袖付け部分を少しほどいてひっくり返し、縫います。

ほどいた部分を繕うと出来上がりです。



大人しめの振袖なので、訪問着として充分着られます。

七五三の後撮りだそうで、今度は、活発な息子さんのために野外で撮影されるそうです。

華やかな、よい一日となることでしょう。


      春風や親子はプロに撮られゐて        仕立屋お吟