2023年9月30日土曜日

男の子の羽織

男の子の羽織を仕立てる

アンティークのこども着物専門の貸衣装屋さんを起業した方からの頼まれもの。

琴線に響いた女物の羽織を買って、ご自分でほどいてきれいにアイロンを掛けてみえた。

大人物から子供用に直すので、変色部分など縫い代に隠れて丁度よい。


袖と細長い衿は何日も敷きのし。

男の子の羽織は、女物と同様、振りも身八つ口もある。


抽象画のような一枚の出来上がり。

   刈りたての坊ちやん刈りや七五三    仕立屋お吟


 

2023年9月25日月曜日

長羽織

長羽織を仕立てます。

170㎝と長身の依頼者さんが、まずネットで大島紬の訪問着を買い、

それをお吟さんがときのしに出して、長羽織に仕立てます。


長い長い衿と袖を敷きのし。

訪問着でしたが、通常の裾中心の柄ゆきではなかったため、
羽織への縫い直しが可能でした。


柄のアンバランスが粋です。

手土産のおはぎ手づくり秋袷    仕立屋お吟



2023年9月17日日曜日

七歳の着物

四つ身を仕立てます。


 お母さんの着物を洗い張りしておいたものです。

衿肩明が13㎝切られていたので、後ろ身頃を少々切り落として四つ身仕立てにします。

可愛い袖と細い衿を敷きのし。
糸巻ちらしの個性的な七歳の着物の出来上がり。
九歳くらいまで着られそうです。

      糸巻の七色ちらし七五三    仕立屋お吟




2023年9月8日金曜日

日本舞踊の衣装

 訪問着の大直しです。

お正月、後楽園の能舞台で日本舞踊を披露されます。

どうしてもこの柄で舞いたくて、サイズが合わないことを承知で買われました。

披露する演目が「汐汲」。
この訪問着も汐汲をテーマに友禅染が施されています。
波と桶と腰蓑の紋様に風情があります。
胴裏が足りなかったので、継ぎ足しました。
身丈も裄も袖丈もいっぱいに出して、
168㎝の依頼者さんのご希望サイズに生まれ変わりました。
   その舞のつま先美しく秋袷   仕立屋お吟



2023年9月2日土曜日

女系五世代の着物

 幼馴染が、お祖母さんがお母さんに縫った訪問着を洗い張りに出してみえました。

煉瓦色の、しっかりした昔のちりめんで、西陣織のような刺繍入り。

絵羽の上、肩幅もいっぱいに仕立てるので、紋は隠せません。

よって、紋合わせをします。




衿付けから紋までは6㎝欲しいのですが、身丈を少しでも長くしたいので、

繰越など譲り合って、このようなしるしつけに落ち着きました。

幼馴染、古希まで自分が着て、ゆくゆくは娘に譲るそうです。

10歳の着物好きの孫も控えています。

見事あっぱれな、女系五世代の物語。

  祖母が縫ひ母が着し色秋袷   仕立屋お吟