洗い張り済の、紫の美しい訪問着を仕立てます。
長身の方なので、布が足りません。
袖巾に割を入れたいのですが、衿からも縫い代からも布が捻出できないので、
依頼者さんの希望で、下前の衽を使うことにしました。
地模様のある布なので、割が目立ちません。
下前の衽には、菊の地模様のあるちりめんをチョイス。
洗い張り済の、紫の美しい訪問着を仕立てます。
長身の方なので、布が足りません。
袖巾に割を入れたいのですが、衿からも縫い代からも布が捻出できないので、
依頼者さんの希望で、下前の衽を使うことにしました。
お祖母さまの形見の単衣の身丈・身巾・裄・袖丈を出します。
袖を外し、衿先をほどき、裾から90㎝のところで、切り離します。
紅型の仕立てに掛かります。
この紅型、依頼者さんのなじみの骨董屋さんが、新潟の養蚕農家の蔵から古道具の箱と一緒に掘り出してきたものだとか。久留米絣の仕立てにかかります。
人間国宝、松枝哲哉さんの作品の様です。
ほどかれて洗い張り済です。
繊細な絣紋様に、さぞかし括りや染めの作業が大変だったろうと想像します。
袖とバチ衿をつくって敷きのし。
前に縫われていたのと同様に、
雪国の山々に映える、辛夷の白い花のような絣です。
魚は氷に上りよき織りよき絣 仕立屋お吟
一つ身の傷んだ胴裏を、新しい胴裏に取り替えます。
アンティークの大胆な柄が可愛らしい二枚の一つ身です。
傷んだ胴裏を外して、寸法を測り、同じものを新しい胴裏でつくります。
裏地が新しくなると、表まできれいになった気になります。
一枚は、袖の裏も新しくしました。
袖口布を袖巾から捻出するという、特殊な縫い方がされていたので、
右袖のみほどいて、左袖を見ながら同じに縫いあげるという、珍しい縫い方をしました。
達成感があります。
赤に黄に絹染められし春の雪 仕立屋お吟