2020年12月28日月曜日

比翼つき色無地

比翼つきの変った色無地の仕立てを頼まれました。
こちらのアンティークの訪問着を部分使いします。
ときのしが済みました。
袖口布と振り布に古典柄を持ってきました。
上前の衽、斜めに比翼をのぞかせました。伊達衿も古典柄で作りました。 八掛けは無地の部分を利用し、裾と袖口には綿をふっくらと含ませました。 こんな変った着物の仕立ては初めてでしたが、企画どおりに出来てほっとしています。 ☆☆☆☆☆鼓打つこの人にしてこの春着   仕立屋お吟

2020年12月23日水曜日

袷の丈をつめる

袷の丈をつめるよう頼まれました。
十日町紬だそうです。
裏の背縫いを10㎝ほどいて裏返し、元の裾縫いより10㎝ 控えて縫って、余分を切り落とします。
衿先の位置も10㎝上に直します。
大きすぎた着物が、丈も裄もぴったりになりました。 ☆☆☆☆☆この紬織られし里は雪ならむ    仕立屋お吟

2020年12月21日月曜日

単衣の丈をつめる

単衣の丈をつめるよう頼まれました。
現在は、新潟の小千谷、紺仁染織工房でのみ織られている、片貝 木綿です。片貝木綿は、太細を混ぜることで太い糸が背骨のような役割を果たし、洗えば洗うほど、糸自体が 元の状態に戻ろうとする力が働くため、型崩れしにくく、シワになり にくい良さがあるそうです。
9㎝短くしたいので、7㎝切り落とします。
衿先も7㎝上へずらします。
着物が好きになってしまったと仰る依頼者さん、どんなコーディネー トをされるのでしょうね。☆☆☆☆☆若くして着物好きなり初鏡   仕立屋お吟

2020年12月18日金曜日

単衣の仕立て

ずっと後回しになっていた単衣にかかりました。
洗い張りされた透け感のある紬です。 夏大島でしょうか。
正絹の絽を裏につけた広衿・掛け衿・袖を敷きのしします。
透けているので、広幅の正絹のいしき当てをつけます。
長身でショートカットの依頼人さん、着こなしてくださることでしょう。 ☆☆☆☆☆星屑のやうな絣や冬深し    仕立屋お吟

2020年12月16日水曜日

袖丈をつめる

袷の袖丈をつめるよう頼まれました。
紐と鳥の文様も珍しい大島紬です。 「古代泥染め」と証紙にあります。
裏側の袖付けを10㎝ほどほどいてひっくり返し、丈をつめます。
ご希望どおり、3.5㎝短くなりました。 一目ぼれして買われたお着物、出番を待っています。 ☆☆☆☆☆初芝居一目ぼれせし紬着て   仕立屋お吟

2020年12月13日日曜日

男物の着物

男物のアンサンブル、次は着物の仕立てです。
男物の袷の袖は、人形のところが分厚くなるので、 しっかり敷きのしします。
袷の男物は、女物のように身八つ口がなく、袖が付けづめと なりますし、衿に繰りがないので衿肩まわりが直角の衿つけと なりますので、縫っていると首筋が凝ってしまいます。 年内に仕上がってほっとしています。 ☆☆☆☆☆祖父のもの孫に直すも年用意   仕立屋お吟

2020年12月9日水曜日

男物の羽織

お正月用の男物のアンサンブルの仕立てを頼まれました。
お祖父さんの形見の大島を洗い張りしたものです。お孫さんに仕立てます。
まずは、羽織からかかります。丈は98㎝、 裁ち台でしるしがつけられるぎりぎりの長さです。
とくに羽織の衿は3日は敷きのしします。
きれいに蘇りました。 ☆☆☆☆☆小春日や水くぐり来し紬縫ひ    仕立屋お吟

2020年12月6日日曜日

単衣の仕立て

単衣の仕立てを頼まれました。
雪国の由緒正しい紬のようです。よろけ縞が粋なこと。きれいに洗い張りされて、 気持ちが良いです。
袖と衿と掛け衿をしっかり敷きのしします。
繰越をつままず、丈いっぱいに仕立てました。 お客さんとしてのお茶事や街着に活躍してくれることでしょう。 ☆☆☆☆☆冬ぬくし正座にて縫ふよろけ縞    仕立屋お吟

2020年12月2日水曜日

単衣の仕立て

単衣を仕立てるよう頼まれました。
通常は袷にするような、ちりめんの小紋です。
袖と地衿と掛け衿をしっかり敷きのしします。
上前の衽の膝あたりと左の衿元にポイント柄を持ってきました。 背や袖付けあたりも同じ柄が来ないよう、柄合わせしました。 お茶をなさる方なので、前巾は広めです。 ☆☆☆☆☆お茶人に着物仕立てる霜夜かな    仕立屋お吟

2020年11月29日日曜日

単衣の仕立て

単衣の仕立てを頼まれました。
東レの交織もの、絹30%です。
袖と地衿と掛け衿を敷きのしします。ポリ100%ですと 押しが効きにくいですが、30%でも絹があると押しが効きます。
染めむらのあった部分は、いしき当てに回しました。後巾と肩巾の 差が5㎝もあったので、脇の縫い代に切り目を入れて始末しました。 ☆☆☆☆☆縫ひ針のすいと山茶花日和かな   仕立屋お吟

2020年11月26日木曜日

袷小紋の大直し

身巾を広げるよう頼まれました。
魔除けのうろこ柄です。内揚げがたっぷりあるので、 150㎝しかない身丈も10㎝伸ばすことにしました。
身巾・身丈・裄・袖丈を直す、大直しとなりました。 右半分が大きくなったところ。
「ジュサブロー」の落款があります。あの人形師の辻村ジュサブロー さんは着物のデザインもされるのですね。八掛のこげ茶色が渋いです。
外科医が20時間に及ぶ大手術を終えた気分です。☆☆☆☆☆ 落款の粋を愛でつつ春著縫ふ    仕立屋お吟

2020年11月24日火曜日

羽織の仕立て

羽織の仕立てを頼まれました。
小紋の長着から作ります。ときのしから返ってきたところ。
羽織丈98㎝がご希望なので、ぎりぎり裁ち台でしるしがつけられます。 それ以上だと、床でのしるしつけになります。
サーモンピンクの優しい花柄、さらりと羽織りやすそうです。 ☆☆☆☆☆春著縫ふ背にほのぼのと日差あり     仕立屋お吟

2020年11月20日金曜日

長襦袢の仕立て

長襦袢の仕立てを頼まれました。
椎茸染という草木染で、皮膚によいそうです。
長襦袢も、袖の敷きのしをしっかりします。
地味な着物の下に、着られるそうです。 ☆☆☆☆☆初稽古袂にちらと色襦袢    仕立屋お吟

2020年11月16日月曜日

裄と袖丈直し

裄と袖丈の直しを頼まれました。
裄と袖丈の直しを頼まれました。 ご希望の寸法に直して、しっかり敷きのしします。
肩巾も、身八つ口をほどいて広げます。 元の折目は、湿らせたシルクを当ててコテを掛けて消します。
アンティークに近い、亡きお祖母様の五つ紋の色留め袖です。
それはそれは繊細な友禅染です。初春の狂言を観に行かれるそうです。 ☆☆☆☆☆初芝居祖母のかたみの着物きて    仕立屋お吟

2020年11月14日土曜日

身巾直し

身巾直しを頼まれました。 ほっそりして見えますが、年齢を重ねると腰回りが大きくなるようです。
脇をひっくり返し、元の縫い目を頼りに2㎝外を縫います。
表に返したところ。元の折目がくっきり見えます。
湿らせたシルクを当ててコテを掛けたら、ほぼ消えました。 ☆☆☆☆☆休日の着物楽しむ小六月   仕立屋お吟