2016年3月17日木曜日

振袖を訪問着に

振袖を訪問着に直してほしいと頼まれました。



切り落としては、無地の袖になってしまうので、袖を外して柄のよいところを持ってきます。

また、お祖父さんとお祖母さんが心を込めてつくってくださったものなので、鋏を入れずに、また振袖に戻せるようにお直ししました。


振袖の片面を裏に回して、一尺三寸のお袖に仕上がりました。
二晩ほど敷きのしします。





華やかで気品のある訪問着の出来上がりです。友人の結婚式に着ていかれるそうです。
仕立て屋冥利に尽きます。

    婚祝ふ着物にとほす春の風    ひとみ

2016年3月7日月曜日

道行コート


道行コートの丈を伸ばしてほしいと頼まれました。

なんとか6㎝長くできました。

それだけでも落ち着いた雰囲気に変わりました。

本うるしのいいものだそうです。

生きていれば110歳のお婆さんが娘に縫ったもので、

その傘寿になった娘の還暦の娘が孫娘の初雛のお祝いに東京まで着てゆくのだそうです。

なんと女系五代の物語です。感激です。



   紙ひらく音の中より雛現るる   ひとみ