2022年9月30日金曜日

久留米絣 仕立て

久留米絣の仕立てにかかります。


 最近の織姫さんは、星空のようなスタイリッシュな絣を織られるんですね。


木綿もしっかり敷きのし。


背とお尻部分に紺がかたまらないよう柄合わせしました。


左胸には昴のような星団を、衿元には北極星のような一つ星を。

厚みのある木綿なので、盛夏以外は年中着たいと仰っているので、

お吟さんとしては、

「季語には、春星・星朧・梅雨星・夏星・星涼し・秋の星・星月夜・流れ星・冬星・凍て星もありますから」と応援したいですね。


    秋の夜に織れば星空めく絣   仕立屋お吟








2022年9月27日火曜日

長着を羽織に

長着を洗い張りしたものを、羽織に仕立てます。


紅葉と紐ちらしの紋様。羽裏には胴裏を使います。 


羽織紐を通すための「乳・ち」という輪っかですが、

15㎜×50㎜の共布を折って、

女物は上向きに、

男物は下向きにひねって取り付けます。


春からずっと仕上がりを待っていてくださった依頼者さんに、お渡しするのが楽しみです。


    何観むと紅葉ちらしの長羽織   仕立屋お吟




2022年9月24日土曜日

訪問着仕立て

訪問着の仕立てに掛かります。


 手の込んだ友禅染と金彩がほどこされています。


袖と衿を敷きのし。


途中、台風が二つ続きでやってきて空気が湿っぽかったので、縫いさしをタンスに仕舞っていましたが、晴れあがったので、一気に仕上げました。

袷は、表裏のバランスが崩れるので、盛夏や長雨時の仕立ては避けるのが無難です。

落着いた華やぎの感じられる訪問着、来月、お友達の結婚式に着てゆかれます。

   婚祝はむと金彩の秋袷    仕立屋お吟


2022年9月15日木曜日

長着を羽織に

 袷の羽織を仕立てます。


袷の長着を洗い張りしたもので仕立てます。

梅尽しです。

羽裏は、ベンガラ色の八掛を使います。


八掛なので、肩山で継がなければなりませんが、まったく問題ないです。


脱ぎ着でちらりと赤の見える、小粋な一枚の出来上がりです。

長着を羽織に直すことも、羽裏に八掛を使うことも、依頼者さんがご自分で考えました。

ますます着物が好きにおなりでしょうね。

    肩裏のベンガラ色に秋深む   仕立屋お吟



2022年9月7日水曜日

袷の長襦袢

 袷の長襦袢の仕立てです。


長年着た長襦袢を洗い張りしたもの。


裾だった部分が擦り切れています。

幸運にも内揚げがあったので、擦り切れた部分を切り落とせます。


裏地の背縫いの擦り切れは、前身に回します。


袖をつくって敷きのし。


裾の返りは少ないですが、継ぎ足しなしで、ご希望サイズに仕立て上がりました。

        おひとりは和服姿や月の客   仕立屋お吟



2022年9月4日日曜日

色無地 単衣仕立て

 色無地の単衣仕立てにかかります。


白生地を好みの「藤紫」に染められたもの。

扇の地模様があり、とてもしっかりした生地です。

老舗「千總」さんの刺繍があります。


生地がしっかりして針通りがよいので、縫いやすかったです。

着心地もとてもよいと思います。

仕上がると、背縫いと脇縫いにまっすぐ折目がつくよう、しつけしてから敷きのしします。

鼓の演奏に着られます。

    細見綾子に<古九谷の深むらさきも雁の頃>の秀句あれば、

  色無地の淡むらさきも月の頃     仕立屋お吟  (笑)



2022年9月1日木曜日

袷を単衣に

袷の訪問着をほどいて、単衣に直します。



 依頼者さん曰く、サバンナ柄ですが、アメリカ人のご主人曰く、ハロウィン柄。

よって、鳥は、バンパイアとか(笑)。

単衣に直しついでに、袖巾も袖丈もいっぱいに伸ばして敷きのし。

単衣になったので、軽やかに着られます。
背縫い・脇縫い・おくみつけは、元のを利用しつつ、内揚げをほどいて身丈を伸ばしました。
背縫いと脇縫いをちゃんとしつけして敷きのし。
どんなパーティーに着ていかれるでしょう。

   しつとりと和服の人やハロウィーン   仕立屋お吟