2023年1月28日土曜日

大島仕立て

大島の袷の仕立てに掛かります。

 

金糸と銀糸が織り込まれた、繊細にして大胆な大島です。

八掛はモスグリーン。


紬にオリジナルの一つ紋という個性派さんの一枚の出来上がり。

掛け衿の上前に、横一本の金糸をもってきました。

上前の衽の膝あたりにも、十文字の金糸をもってきました。
八掛の色が、とても素敵です。

   針通りよき大島に日脚伸ぶ   仕立屋お吟

   



2023年1月19日木曜日

男の子の羽織

男の子の羽織を仕立てます。


 アンティークの子供の着物専門の貸衣装屋さんが、

頑張ってオークションで競り落とした、大人の羽織の逸品です。

昭和初期の紬でしょうか、斬新な色柄です。

ほどくと、最初は着物で、のちに羽織に仕立てたものとわかりました。

その後、長年タンスに眠っていたものと思われます。

袖が短かったので、身頃を継ぎ足しました。
目立つ染みは残布に回せました。
凛々しい七五三になることでしょう。

同時に頼まれていた渋い赤の羽織も出来上がり。
どちらも世界に一つの個性的な羽織です。

    古布のそのピーコックブルー春隣   仕立屋お吟


2023年1月11日水曜日

袷小紋

 袷の小紋の仕立てです。


愛嬌よく並んだ張子の犬。作家さんのものです。


袖と衿を敷きのし。


とてもしっかりしたちりめんですが、年月を経て耳と反物の外側が変色しているので、

背縫いを深めにしたり、掛け衿の裁断に気を配ったりしました。

縫い針が折れるほど固くもなっていたので、縦縫いは仲間にミシン縫いしてもらいました。

張子の犬は、横一列に並ぶよう柄合わせ。

おめでたい柄なので、縫いあがったらすぐに取りにみえました。

近々着られます。

   冬麗の空の色なる着物縫ふ   仕立屋お吟



2023年1月4日水曜日

胴抜き 小紋

 胴抜きの小紋を仕立てます。


洗い張り済の干支の張子ちらしの小紋です。



胴抜きですが、繰越揚げの位置までは胴裏を付けます。



依頼者さんの好みで、縫いじつけを施しました。

黒のちりめんなので、効果抜群です。

初釜に着られます。

   干支あそぶ袖や裳裾や初茶の湯   仕立屋お吟