2022年4月29日金曜日

訪問着 仕立て

 訪問着の仕立てに掛かります。


ほどいて洗い張りされ、さらに叩き染めで染め変えられたものです。


袖と地衿を敷きのし。


叩き染めにより、下前おくみの「青々」の雅印は薄れていますが、

染め変えの技は素晴らしいと思います。


掛け衿の柄もぴったり合わせました。


次世代へと着物が蘇りました。


   花は葉に母の着物を染めなほし   仕立屋お吟



2022年4月25日月曜日

小千谷ちぢみ  仕立て

単衣の仕立てにかかります。


小千谷ちぢみ、麻100%のとても手触りの良いものです。


 袖とバチ衿と掛け衿を敷きのし。

布に余裕があったので、背縫いの柄を合わせました。

掛け衿の柄も合わせました。

おくみの柄も合っています。
盛夏を待たずに着られることでしょう。

    針すいと小千谷ちぢみの格子柄   仕立屋お吟



2022年4月22日金曜日

浴衣 仕立て

 浴衣の仕立てにかかります。


去年の秋口に預かっていたもの。

立夏が近いので、取り掛かります。

波とあぶくと貝殻とヒトデが、こどもの絵のように並んで、遊び心満載。

浴衣であってもバチ衿であっても敷きのしします。
上前の胸元が黒になったので、掛け衿はピンクに。

上前の前身頃からおくみにかけてピンクを持ってくるのは、
依頼者さんのご希望です。
この夏、楽しいことがいっぱいありますように♪

    貝殻と波とあぶくの浴衣縫ふ    仕立屋お吟




2022年4月19日火曜日

作州絣 仕立て

 作州絣の仕立てにかかります。


岡山は美作の国で、一度は途絶えた作州絣、今は、保存会の方々が守っていらっしゃいます。

手織りです。


昔ながらの織機なのでしょうか、丈も巾も短めなので、

中肉中背の依頼者さんではありますが、布いっぱいに仕立てることになりました。

背縫いの上半身のみ、柄を合わせてみました。


織りだされた、大小の井桁と亀甲と松竹の紋様は、素朴にして洗練された味わいがあります。

着ては洗い着ては洗い、着倒すまで着るわよと、依頼者さん♪


   単衣着て作州絣の里訪はむ   仕立屋お吟



2022年4月16日土曜日

色無地の単衣仕立て

 浜ちりめんを単衣に仕立てます。

白地を山葵色に近い若草色に染めてもらわれました。

袖と地衿と掛け衿を敷きのし。

こういう無地の柔らか物を単衣に仕立てるのは珍しいです。
縫い代をくけるときは、表に響かないよう細心の注意が必要です。


透明感のある目の色髪の色肌の色の依頼者さん、どんなに素敵に着こなされるでしょう。


    日本が好きで単衣のわさび色   仕立屋お吟




2022年4月11日月曜日

訪問着 仕立て

訪問着の仕立てにかかります。


 洗い張りされたものに、紫の八掛けを合わせます。


裄は短めがご希望なので、袖付けで柄が合うよう、袖口の縫い代を多くしました。

しっかり敷きのし。


地衿が付いた時点で、胸元から掛け衿への柄があうよう折って、敷きのし。


かなり変則的に絵付けがなされていたので、依頼者さんと相談の上、

身幅と袖丈は、ご希望サイズではなく柄優先で仕立てました。

個性的な柄ゆきの華やかな一枚となりました。


    八掛の紫ちらり花の茶事    仕立屋お吟





2022年4月6日水曜日

小千谷ちぢみ 仕立て

 去年の秋口から預かっていたうすものに、やっと掛かります。


透け感のある、流水に秋草の紋様です。

褪せと変色部分があちこちにあるので、裁ち方を朝九時から考えていたら、

あっという間にお昼になっていて、我が集中力に驚きました(笑)。

透け感のある麻なので、新モスで広巾のいしき当を作りました。
衿裏も新モスです。



問題部分は、ほぼほぼ、帯に隠れる部分・下前・掛け衿に隠れる部分などに

持ってゆけたので、微妙な色褪せは、<味>として着ていただきましょう。

もともと小千谷ちぢみには、そういう鄙びた味わいがありますものね。


日の目を見られて、麻布が喜んでいます。


    綾なせる水面のごとし薄衣    仕立屋お吟