女物の羽織を男の子用の羽織に仕立て直します。
依頼者さん自ら、ほどいてアイロンかけされました。
大人用は10㎝の前落しがありますので、
子ども用には、背縫いを深くして、衿肩まわりを小さくします。
細い衿と袖をつくって敷きのし。ありきたりでない男の子の羽織の出来上がり。
きもの着て凛々しき五歳風薫る 仕立屋お吟
女物の羽織を男の子用の羽織に仕立て直します。
大人用は10㎝の前落しがありますので、
子ども用には、背縫いを深くして、衿肩まわりを小さくします。
細い衿と袖をつくって敷きのし。若いころの小紋をお孫さんの四つ身に仕立て直します。
四つ身仕立ては、後ろ身頃を7.5㎝ほど切り落とし、前身頃は、衽を兼ねます。
細い衿と丸みの可愛い袖をつくって敷きのし。
お祖母様の小紋がこんなに小さくなりました。
揚げをしたら、さらに可愛く。
秋祭りやお正月に活躍してくれそうです。
着物など似合ひさうな子さくらんぼ 仕立屋お吟
前身が
大島紬の単仕立てにかかります。
小粋な市松模様です。
衿裏・広幅いしき当て・背伏せ布を添えて持って来られました。
黒留袖を羽織に仕立て直します。
裾模様を活かす仕立て直しですから、
否が応でも、上部を切り離さないとなりません。
切り離した部分は、羽織の返りになるよう継ぎ足します。
紋のある袖は使えませんので、八掛を袖山で継ぎ合わせて袖をつくりました。
大波の柄の染められた八掛を、右の後ろ袖に持ってくるのは、依頼者さんのご希望です。
背縫いの柄はぴったり合わせることができました。
まちは、衽の裾回しを使いましたので、
黒い無地で柄が寸断されるのをやわらげることができました。
上前の衽と下前の衽の柄がよい位置に来るよう、熟考して衿をつくりました。
返りには、紋があったり、継ぐ位置が裾ギリギリだったりで、苦心の跡が見られます。
近々、おめでたい行事や観劇などにお召の予定だそうで、仕立屋冥利に尽きます。
お能観に春のなごりの黒羽織 仕立屋お吟