2021年10月28日木曜日

七五三  揚げ

 七五三の揚げです。

今年もそろそろ最後の揚げでしょうか。


赤紫から鶯色、朱色と染め分けられているのが、

なんとも華やか。

五歳の幼さに合う揚げの位置です。
たっぷりとした長い黒髪の子なので、さぞかし美しい着物姿になるでしょう。

    黒髪の艶は母似よ七五三    仕立屋お吟




2021年10月25日月曜日

男物着物

羽織がすんだので着物に掛かりますが、

まずは、着物の身丈を確保したのち、衿を特殊な裁ち方にし、

残りを羽織に当てました。


 脇の縫い代を継ぎ足した袖と特殊な裁ち方の衿を敷きのし。


衿先は三角に裏を見せる高級仕立てです。


袖巾を足した部分はこんな感じ。


大きな大きな男着物の出来上がり。


   190㎝和服の似合ふ秋   仕立屋お吟



2021年10月20日水曜日

男物アンサンブル

男物のアンサンブルに掛かります。


身長190㎝の娘婿さんのために、お母さんがキングサイズを揃えられました。 

190㎝ではキングサイズでも足りづらいので、特殊な裁ち方をします。
さらに、身頃の脇の縫い代を切り取って、袖巾に足します。

このように袖巾に足してあります。

もう5㎝ほど羽織丈が欲しいところですが、もういっぱいいっぱいです。
でもお婿さん、喜んでくださることでしょう。

   肩裏の虎に睨まれゐる夜長    仕立屋お吟



2021年10月16日土曜日

古裂

古裂をあわせて長襦袢をつくります。


 いつの時代のものでしょう、依頼者さんが集めていた大切な古裂です。

なかんずく好きなものから、袖上部、下部、左胸、左下、、、と持ってゆきます。


大河ドラマで、仲間由紀恵が山之内一豊の妻を演じたとき、

こんな剥ぎあわせの、キュートな着物を着ていました。

シャリ感のあるかろやかな一枚となりました。


    秋うらら古裂の色を継ぎあはせ   仕立屋お吟




2021年10月13日水曜日

単衣の大直し

大直しを頼まれました。


 粋な紬です。

内揚げをつまんで仕立てられているので、内揚げ分6㎝身丈を伸ばせます。

袖を外し袖巾いっぱいに広げます。

身幅も脇で3㎝広げます。全体で12㎝広くなります。


一回り大きな着物になりました。三日後の着付け教室で着られます。


    妹と着付け習へば秋愉し    仕立屋お吟



2021年10月9日土曜日

振袖を訪問着に

振袖を訪問着に直します。


 四十年前に着られました。

五人姉妹の上、いとこも多く、元が取れるくらい活躍しましたが、

さらに、このたび袖を切り落として、鼓の演奏会で着られます。

豪華な刺繍がほどこされています。
袖口布は、一番汚れるところ。
汚れ部分を切り落として、きれいなところを持ってきてしるしつけ。

舞台衣装になるので、袖丈は長めに。
振袖の下半分を切り落とすのではなく、
袖の裾の水色のぼかしを活かして作り直しています。
しっかり敷きのしします。

訪問着に生まれ変わりました。


鼓を支える左の前袖と、打つ後ろ袖が華やかです。
来月、後楽園の能舞台で演奏されます。

   秋袷ひざに零せる鼓の音   仕立屋お吟