2023年6月30日金曜日

日傘とバッグ

 紬のきものをほどいて、仲間が日傘とバッグをつくりました。


柄合わせがうまくいっています。ポケットも使いやすいようにたくさん。

バッグの持ち手を共布でつくると、やや野暮ったくなるところを、
帯締めを縫いつけて個性的に仕立てています。
共布で傘袋も。
依頼者さんの念願がかないました。

   炎昼を白のすがしき絣かな    仕立屋お吟




2023年6月25日日曜日

能登上布

 能登上布を仕立てます。


男物の反を女性用に仕立てます。

教科書通りに2㎝の差をつけて衽と衿に切り離していたのでは、キングサイズでは断ち切り衿幅が広すぎて、仕上がりが分厚くなりすぎて、上布の良さがそがれます。
そこで、真ん中あたりで4㎝切り落としました。

透け感の涼しそうな一枚の出来上がり。いしき当てはつけません。
   銀婚の旅さきに買ふ能登上布   仕立屋お吟


2023年6月19日月曜日

身丈を伸ばす

 絽の訪問着の身丈を伸ばします。


依頼者さんのご先祖の、袖が長い時代のものです。袖を切って胴に継ぎ足します。

汚れの目立つ掛け衿は、おくみに継ぎ足し、地衿に継ぎ足し、
なんちゃって掛け衿(見せかけの掛け衿)に仕立てます。
10㎝以上継ぎ足したので、着付けると継ぎが見えそうですが、
舞台衣装なので大丈夫です。
岡山芸術創造劇場、愛称ハレノワのオープンに先駆けて、
こけら落しに鼓の演奏をされます。
   鼓打つ人に仕立てむ紫紺の絽   仕立屋お吟


2023年6月12日月曜日

女物から男の子の羽織へ

 男の子の羽織をもう一枚。

古い女物の羽織ですが、戦後のものでしょうか。

とても華奢な寸法の羽織ですが、子ども用に直すので縫い代たっぷりあります。

背縫いを深くすると、衿肩明が子供サイズになります。
細い衿と袖をつくって、3日は敷きのし。

こどもの羽織でも、ちゃんとマチも乳も前下がりもあります。

この生地をみつけた依頼者さんのセンスに拍手です。
   星空のやうな羽織を縫ふ夜涼    仕立屋お吟