2021年4月30日金曜日

切り嵌めの着物

小さすぎて着られなかったお祖母様の大島に色無地を つぎ足して、袷の訪問着をつくるよう頼まれました。
沖縄特有の羊歯とハブの文様です。 色無地には地模様があります。 八掛は色無地のものを使います。
継目が平行にぴったり合うよう繋いで、しるしつけ。
地衿と掛け衿は色無地を使います。 袖は、右の後と左の前に色無地を足しました。 いつもより長く敷きのしします。
企画通りのものが出来ました。 昔の大島紬はとてもかろやかです。 ☆☆☆☆☆春水をぐぐりて紬かるくなる   仕立屋お吟

2021年4月28日水曜日

麻の着物

麻の着物の仕立てを頼まれました。
麻百%、「灰桜」という色に染められてやってきました。
まず袖と地衿と掛け衿を縫って敷きのしします。
背伏せ布は、50㎝で2㎜ほどゆるめて一針抜きで付けます。 こういうことが出来るのは、手縫いのよろしさです。
縫いあげた後、友禅染めがほどこされます。 ☆☆☆☆☆灰桜色のうすもの仕立て初む   仕立屋お吟

2021年4月23日金曜日

単衣の道中着

単衣の道中着を頼まれました。
依頼者さん自ら、小紋の長着をほどかれました。
紐飾りは包み釦です。
衿は、おくみと地衿と掛け衿を継ぎ足しています。 このちりめんはけっこう地厚だったので、衿が分厚くなるので、縫い代は切り落としました。 ☆☆☆☆☆妙齢のさらりと単衣羽織りゆく   仕立屋お吟

2021年4月18日日曜日

鳴海絞り

浴衣の仕立てを頼まれました。
有松鳴海絞りです。
上前の胸元とおくみの膝あたりにポイント柄が来るよう、気を付けました。 布が足り苦しかったので、工夫して裁断しました。 ☆☆☆☆☆藍浴衣手足すらりと孫娘   仕立屋お吟

2021年4月15日木曜日

単衣

単衣の仕立てを頼まれました。
藍染です。デフォルメされた桜が染め抜かれています。 藍色の部分には、さらに黒く桜が染められています。 この反物、名づけるなら「夜桜」でしょうか。
袖と地衿と掛け衿を敷きのしします。
胴裏で腰から裾までのいしき当をつけました。
この反物、小紋ですが絵羽の訪問着のように切り離されて、 長期間呉服屋さんに展示してあったようで、袖山などに変色がありましたが、 変色部分をぴったり袖山に持ってくることにより、目立たなく仕立てました。 上前のおくみの柄が膝辺りに来るよう気をつけました。 上前の掛け衿にも柄を持ってきました。 ☆☆☆☆☆藍染の小紋にて訪ふ余花の宿   仕立屋お吟

2021年4月13日火曜日

麻の長襦袢

長襦袢の仕立てを頼まれました。
麻50%のポリエステルです。透かし模様があります。
依頼者さんのご希望で、衿に英衿芯(はなぶさ衿芯)と付けているところ。 かなり固くて付けにくいですが、不可能ではありません。
英衿芯が付いたら、半衿をかけます。
仕上がりました。依頼者さんはいろいろ試されているそうです。 綺麗に着付けられるとよいですね。 ☆☆☆☆☆夏近し襦袢オーダーメードして   仕立屋お吟

2021年4月11日日曜日

半巾帯

半巾帯の仕立てを頼まれました。 仲間が仕立てます。
アンティークの黒留袖からのリメイクです。 アンティークの着物はほどくのが大変なので、 着物の形のまま、ざくざくと巾21㎝に切り取りました。
パズルの如く、床に何度も並べ替えて、つなぎ合わせて仕立てたそうです。
洋服の上からですが、変り結びをしたところ。 手先と垂れ部分にも柄を持ってきています。
良い柄が前にきました。 どんなお着物に合されるのか、楽しみです。 ☆☆☆☆☆あたたかや祖母の着物を帯に縫ひ   仕立屋お吟

2021年4月9日金曜日

単衣の道中着

単衣の道中着の仕立てを頼まれました。
小紋の着尺から仕立てます。
単衣でも、袖口に袖口布をつけます。袖と衿はしっかり敷きのし。
軽くてさらりとした羽織ものが出来ました。
紐飾りは、くるみ釦にしました。 さっそく着られるそうです。 ☆☆☆☆☆小鼓のお稽古帰り春コート   仕立屋お吟

2021年4月8日木曜日

単衣の大直し

単衣の身丈と身巾と裄の直しを頼まれました。
付下げ小紋です。 袖は直さなくてよいのですが、身巾を広げる場合、 袖を外さないとなりません。袖と衿の下半分を外したところ。
さっそく週末に着られます。 ☆☆☆☆☆花は葉にけふオレンジの名古屋帯   仕立屋お吟

2021年4月4日日曜日

男物

男物の紬のアンサンブルの直しを頼まれました。
お父様の着物の身丈と裄を伸ばして、弟さんに着てもらうそうです。
裏地の揚げが少なかったので、白絹をつぎ足しました。
衿先には、見えないお洒落が。。。
身丈は12㎝、裄は5㎝伸びました。弟さんは190㎝の長身です。 ☆☆☆☆☆桜餅けふの弟和服にて   仕立屋お吟

2021年4月1日木曜日

浴衣

浴衣の仕立てを頼まれました。
淡い縦縞に、朝顔の本染めをほどこしてあります。
背と袖付のあたり、同じ柄が来ないよう裁ちます。
上前の胸あたりに柄があるので、掛け衿に大きな柄が来ないよう 気を付けます。
上前のおくみの裾に重たい柄が来ないよう気を付けます。 膝辺りにはポイント柄をもってきます。
残布がでたので、いしき当を付けました。 肌触りのよい木綿で、紫だけの朝顔も粋です。 ☆☆☆☆☆朝風をむらさきに染め浴衣縫ふ   仕立屋お吟