2021年3月28日日曜日

杢目絞り

単衣の大直しを頼まれました。
杢目絞りです。総絞りになっています。
一番に袖を外して、丈と巾を伸ばし、敷きのしします。
衿の下半分をほどいたところ。これから身丈と身巾を伸ばします。
ご希望サイズに直りました。四月になるとさっそく着て行かれます。
この杢目絞りの風合いをそこなわないよう、コテは控えめにして、 敷きのしで元の折り目を消したいと思います。 ☆☆☆☆☆花衣杢目絞りのよかりけり   仕立屋お吟

2021年3月27日土曜日

身巾と袖の直し

身巾と袖の直しを頼まれました。
まず袖丈と袖巾を直して敷きのし。
身巾を出しました。元の折り目がくっきり出ています。
かるく湿らせたシルクを当ててコテをかけると、ほぼ消えました。 着付け士の修行中でいらっしゃいます。 ☆☆☆☆☆娘にも母にも似合ふ春袷   仕立屋お吟

2021年3月24日水曜日

長着を道中着に

着物をほどいて持ってみえました。
鮫小紋です。単衣の道中着に仕立てます。
衿と袖を敷きのしします。 衿は、衽二枚と地衿と掛け衿を継いでいます。
さらさらと羽織やすい一枚です。 ☆☆☆☆☆花どきのけふは子に貸す鮫小紋   仕立屋お吟

2021年3月22日月曜日

裄直し

道行きコートの袖丈と裄を直すよう頼まれました。
源氏絵巻が刺繍された紬です。
袖巾を出し袖丈を詰め、折り目を消して敷きのしします。
希望のサイズになりました。
長年の折り目は消しづらいですが、紬は、元の折り目が目立ちません。 ☆☆☆☆☆道行のいろの淡さも花のころ   仕立屋お吟

2021年3月19日金曜日

上田紬

単衣の仕立てを頼まれました。
長野の上田紬です。検索すると、「打ち込みがしっかりしているので、 裏地を三度取り替えるほど着ても丈夫という意味で、三裏縞の 名もあるほど」とあります。
折り皺のきつい部分が下前に来るよう裁ちます。
袖と地衿と掛け衿をしっかり敷きのしします。
残布がたくさんあったので、腰から裾までの共布のいしき当を 付けました。
渋い中にも光沢がありしなやかな一枚の仕上がりです。 ☆☆☆☆☆衣擦れの音きはやかに単衣縫ふ   仕立屋お吟

2021年3月16日火曜日

袋帯を半巾帯と角帯に

袋帯を半巾帯と角帯に仕立てるよう頼まれました。 仲間のSが仕立てます。
渋いモスグリーン、市松文様が織り込まれています。 ほどいて、地の厚い表地で半巾帯を、薄手の裏地で角帯を仕立てます。
半巾帯には元々入っていた帯芯をそのまま使い、 角帯には、手持ちの帯芯を少しづつゆるみを入れながら仕立てたそうです。 芯にゆるみが入っていると、表地がぱりっとします。 ご夫婦で仲良く締めていただきたいですね。 ☆☆☆☆☆角帯を締めて男の花衣    仕立屋お吟

2021年3月12日金曜日

紬の仕立て

紬の単衣の仕立てを頼まれました。
京都の織屋さん、菱屋六右衛門の紬です。
袖と地衿と掛け衿をしっかり敷きのしします。
柄が野暮にくっつかないよう柄合わせしました。
部分使いした雪輪で芝草文様をつくっています。 粋な一枚です。 ☆☆☆☆☆花ごもろ雪輪文様ちらしあり   仕立屋お吟

2021年3月9日火曜日

木綿の単衣

木綿の単衣の仕立てを頼まれました。
遠州綿紬です。
綿でも、袖と地衿と掛け衿の敷きのしをします。
残り布がたくさんあったので、共布で腰から裾までのいしき当を 付けました。 早春の色です。☆☆☆☆☆辛夷咲く窓に遠州つむぎ縫ふ   仕立屋お吟

2021年3月7日日曜日

袷の紬

紬を袷に仕立てるよう頼まれました。
「 「古紅花玉絣」と証紙にあります。 検索すると、「古の技法を伝承し紅花の深みある色合い、玉繭糸の素朴な質感をもって 風合い豊かに織り上げられた素敵な古紅花玉絣紬です。」 との説明がありました。
独特のふしが味わい深い一枚の出来上がりです。 白地なのに、ほんのりピンクが感じられる紬に薄紫の八掛。 さくらのころにぴったりです。 ☆☆☆☆☆風合をたのしむ紬花の午後   仕立屋お吟

2021年3月4日木曜日

裏地が縮む

裏地が縮んだので直してほしい、ついでに身丈も伸ばしてほしいと 依頼がありました。
袷の大島の裏から蒸気アイロンをかけたところ、 裏地がかなり縮んで、表地がふかふかして着れない状態に なったようです。 衿の下半分をほどいて、背と脇と衽の中綴じを外して吊ってみました。 2㎝以上ふかふかして見えますが、とりあえず2㎝裏地を多めに身丈を 伸ばします。
2㎝伸ばして、あとは微調整かなと思っていましたが、 さらに2㎝伸ばさないとダメなようです。
やっと表と裏のバランスがよくなりました。 身丈も依頼者さんの身長くらいには伸びました。 ショートがお似合いの依頼者さん、長かった髪をばっさり切って、 医療用へと寄付されたそうで、清々しいお顔をされていました。 黒髪を切つて寄付してあたたかし   仕立屋お吟

2021年3月1日月曜日

羽織の仕立て

袷の羽織の仕立てを頼まれました。
浜ちりめんを薄色に染めたもので、肩裏は長襦袢をほどいて使います。
長羽織ですが、小柄な方なので裁ち台でしるしが付けられます。
衿は特に3~4日は敷きのしします。
仕上がりました。雅楽をたしなまれる方なので、出番が多いことでしょう。 ☆☆☆☆☆薄いろに染めて弥生の浜ちりめん   仕立屋お吟