2019年6月25日火曜日

麻の男物


麻の着物の仕立ても、最後の一枚になりました。

盛夏に間に合って、ほっとしています。



上は鼠。

下の淡い灰色の名は、さて何でしょう?

お洒落で神秘的な名です。

その名も、ムーンストーン。



長身の男性の盛夏用です。

どんな着こなしをされるんでしょうね。


      古扇男の着物佳かりけり     仕立屋お吟






2019年6月21日金曜日

祭浴衣


祇園祭のお囃子衆の浴衣5枚を頼まれました。



白地と濃紺の地を組み合わせて作ります。

私は手いっぱいなので、仲間に縫ってもらいました。



左身頃と衿が白、右身頃が濃紺です。

粋ですね。

太鼓を叩いたり、洗濯も激しいので、

ほつれることのないよう、要所要所を厳重に縫ってもらいました。

7月の祇園祭まで、もうすぐです。


     急ぎ縫ふお囃子衆の藍浴衣        仕立屋お吟






2019年6月16日日曜日

夏羽織


6月は、麻の仕立てに始まり、麻の仕立てに終わりそうです。

くる日もくる日も麻を縫っています。



巾広の反物が来ました。

黄色の通常の物より10㎝近く広いです。

長身のフランス人の方のアンサンブルを仕立てます。



若竹色の方が着物になりました。

深緑の方は羽織になります。



羽織丈が長いうえに巾も広いので、横にも縦にもへら紙を継ぎ足して、

居間の床でしるしをつけます。

これ、かなりの重労働で、翌日は筋肉痛でした。



衣紋掛けから袖が10㎝ほどもはみだしています。

着付けると壮観でしょうね。

何をなさる方でしょう?


      夏羽織はおり異国の紳士かな       仕立屋お吟



2019年6月11日火曜日

医療用バンダナキャップ


和裁の仲間が、頼まれて医療用のバンダナキャップを縫いました。



抗がん剤治療で髪の毛が抜けてしまった方がかぶります。

ちりめんの着物をほどいて、洗って乾かして裁ちます。



表は小花柄。



裏は更紗模様。

リバーシブルです。

半年はこれを被って我慢ですね。

元気になっていただきたいものです。


      白南風に洗ふ帽子や病み抜けて        仕立屋お吟




2019年6月1日土曜日

着物のコーディネート


下の記事で、

「呉服屋さんを通しての仕立ては、どんなコーディネートにされたのか、
見ることができなくて残念。」

と、書き込んでいたら、

その呉服屋さんから、↓こんな洗練されたコーデの写真が送られてきました。



東京着物ショーに出展されて、好成績をおさめられたそうです。

私が仕立てた後、金彩友禅が裾にほどこされています。





こちらは、色の名を「りんどう」。

以前登った、四国の剣山の山頂に自生していた深山りんどうを思い出します。

仕立てた後、3日ほど敷きのしします。

1日では、ぱりっと仕上がりません。

この「りんどう」にも、金彩友禅が描かれるそうです。


      うすごろも山湖ひとつを置くごとく      仕立屋お吟