2018年9月19日水曜日

有松鳴海しぼり


172㎝という長身の方より浴衣の仕立てを頼まれました。

絞りで巾と丈の長いものを、苦労して探されたそうです。



有松鳴海しぼりです。最高の肌触りです。絞りですから、このように、左の普通の巾のものより縮んだ状態で売られています。



洗い張り屋さんで、二度洗いと湯のしをして巾丈を出してもらったら、このように落ち着きました。

1㎝でも長い丈に仕立ててあげたいので、繰越揚げはつまみません。縫い代もぎりぎりに抑えて裁ちました。



なおかつ、左胸には華やかな柄を、上前の衽の膝辺りにもよい柄を、左の衿も寂しくならないように気配りします。



後ろ身頃をご覧ください。たとえば、お尻の部分に左右同じ柄がきては最悪です。そうならないように気をつけます。

着物は左右対称の柄を嫌います。残り布ゼロという条件でも、なるべく粋になるよう柄合わせをします。

なんとか身丈172㎝、裄73㎝の浴衣が出来ました。色白の依頼者さんにお似合いのことと思います。


       縫ひさしの鳴海絞りへ秋の風       仕立屋お吟









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