男物の夏大島を女物に仕立て直すよう頼まれました。
着物で通されたお父様の形見だそうです。
洗い張りして仕立てたものが、躾のついたまま遺されていました。
ほどいてのしたものにしるしを付けます。
男物には十数㎝の内揚げがありますが、
伸ばしてもまだ身丈が足りないので、おはしょりに隠れる部分に足し布をします。
まず、裾から90㎝のあたりを思い切って切り離します。
私の手持ちの布の中で、一番素材と色の近い物を継ぎ足します。
これでやっと全体のしるし付けに取りかかれます。
衽は大幅に足りなかったので、掛け衿を継ぎ足しました。
なくなってしまった掛け衿は、地衿を折って、見せかけることにしました。
大変やりがいのある仕事でした。
縫ひあげてうすものに風生まれけり 仕立屋お吟
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